2022 Fiscal Year Research-status Report
牧畜集落の担い手育成に資する牧畜民生活領域の保全計画
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20K04827
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
野村 理恵 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (20599104)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 文化的景観 / 住教育 / 牧畜地域 / モンゴル / 中国 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、2021年度に引き続き、中国・内モンゴル自治区を対象とした牧畜民の生活領域の保全計画策定に向け、景観保全の主体育成の方法論構築のため、現地の大学と連携して教育プログラムを検討・実践した。 内モンゴル大学、内モンゴル民族大学メディア学科、赤峰大学の研究者とオンライン会議を実施し、学生による住経験インタビューの実施と民族誌のとりまとめについて引き続き議論した。民族誌については、各地域の概要のとりまとめとモンゴル国を含めたモンゴル文化の概要のとりまとめを進めている。 また、内モンゴル民族大学メディア学科にて学生への授業課題として、自らの居住誌をまとめる取り組みについては、調査票を作成したが、現地大学の倫理審査を通過する必要がある。なお、この動きと連動して、日本では北海道大学での大学院授業において、日本人学生及び留学生に対して住経験インタビューを実施する取り組みを継続しており、その成果を国内の研究者と議論すると同時に、他国にも展開をし、内モンゴルでの実施に繋げる準備をしている。特に、留学生に対して実践したインタビュー課題の成果について検証することで、内モンゴルでの実施方法を調整している。 また、新たな牧畜集落の生業を維持する仕組みについては、2022年度に来日した内モンゴル出身留学生とともに、観光業を取り入れ始めている地域の基礎的資料を収集している。草原観光が牧畜民の新たな生業となり得るのか、あるいは地域の資源を保全する役割を果たすのかという観点で、議論をすすめている。 なお、これまでの議論について英語版書籍の発行にむけて執筆を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大の影響が続き、現地調査の実施が中断していたため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、現地とはオンライン会議を中心として、日本と内モンゴルのそれぞれで教育プログラムを実践する。一部の結果を持ち寄る成果交流会も企画している。 また、北海道大学への留学生とは今年度に本格的な現地調査を予定している。 国際会議での発表や、英語、中国語での出版に向けて最終のとりまとめに入る予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大が続き、海外調査が実施できなかったため。2023年度はこれまで叶わなかった現地調査を実施する予定であり、また国際会議での発表も検討している。予算としては、調査協力者への補助や英語での成果発表に係る費用として当初の予定よりも多めに確保し、繰越分を使用する予定である。
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