2020 Fiscal Year Research-status Report
IoT・センシング技術を活用した災害時状況把握及び救助活動支援システムの構築
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20K04831
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山邊 友一郎 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (70362762)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | IoT / センシング / 災害時状況把握 / 救助活動支援システム |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、①在室者の有無を精度よく推定可能なIoT・センシングシステムの構築についての予備検討として、オープンソースハードウェアであるArduino と加速度センサ、振動センサ、音センサ、照度センサ、人感センサを用いて、在室者の有無を判断するセンシングシステムを構築し、検証実験を行った。実験結果より、以下に示す1.~5.の知見を得た。 1.加速度センサ・人感センサを用いた扉の計測結果より、人の出入りを判断できた。しかし、出入りの方向(入退室の区別)を判別するには、精度の良いRTC(リアルタイムクロック)を使って、センサの反応時刻を把握する必要がある。2.振動センサを用いた扉の計測結果より、振動センサは、扉の開閉を把握するのに適していないことがわかった。3.音センサの計測結果より、扉の開閉時や人の通過時に計測値が大きく変化していた。在室者の有無を正確に判断するためには、活動音を把握することが必要である。そのため、開閉時の足音や外部からの騒音の影響を受けにくい、扉や窓から離れた場所にセンサを設置する必要がある。4.照度センサの計測結果より、照明器具の点灯状況を把握できた。しかし、センサ付近に人が移動した場合にも、値が変化してしまうため、照度センサの設置方向は、直接、照明器具に向けることにより、正確に点灯状況を把握できる。5.在室者の有無の判断を行うには、一種類のセンサの測定だけでは難しい。そのため、加速度センサ、人感センサ、音センサ、照度センサ、RTC などの複数のセンサを組み合わせて、総合的に判断する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定どおり、①在室者の有無を精度よく推定可能なIoT・センシングシステムの構築についての検討を行った。いくつか課題は見つかったが、今後追加の検討を実施する予定である。また、2021年度以降の研究計画である、②建物の被災程度を精度よく推定可能なIoT・センシングシステムの構築、③要救助者・建物の被災程度に関する情報の有無が災害救助活動支援システムの効果的な運用に及ぼす影響の検証についても、当初の研究計画とは異なる手法ではあるが、いかに示す研究を実施した。 ・CNNを用いた木造建築物の応急危険度判定の自動化に関する研究 ・MASを用いた避難者の心理状態を考慮した災害時避難シミュレーション
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Strategy for Future Research Activity |
①在室者の有無を精度よく推定可能なIoT・センシングシステムの構築について、以下に示す1.~3.の追加の検討を実施する予定である。 1.長期間の観測データ収集 2.データ収集方法の改善(リモートでの収集) 3.観測データと人間の行動との対応関係のルール化(機械学習含む)
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Causes of Carryover |
(理由)コロナ禍による移動制限のため、国内および海外の旅費を使用できなかったため。 (使用計画)2021年度も同様の状況が想定されるため、実験物品の購入にあてる予定である。
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