2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K04841
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
市川 尚紀 近畿大学, 工学部, 教授 (50441085)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 堅田集落 / 熊川宿 / 津和野 / 水郷集落 / 水路網 / 水利施設 / 水文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず2020年度からの一連の研究成果を執筆した『水辺の公私計画論-地域の生活を彩る・公と私の場づくり-』(技報堂出版)を出版し、その内容について7月に東京でシンポジウムも開催した。さらに、2022年度に調査した津和野集落の研究成果を建築学会大会学術講演梗概集と建築学会中国支部研究発表会で発表した。 新規調査対象とした山口県美祢市堅田集落はジオパークに認定されたエリアに存在し、ジオサイトの一つである別府弁天池という湧水池がある。ここから湧き出た水は水路を通して集落へ行きわたり、昔から飲料水や生活用水、灌漑用水として人々の生活を支えてきた。現在も、昔の水利慣行が一部継承されており、戦国時代にも行われていた矢束(ヤタ)が取り上げられたこともある。さらに、水利施設“洗い場”も残っており、野菜を洗う、手を洗う等主な利用目的は変わっていなかった。一方、洗車や鯉の飼育、雑巾を洗う等の新たな使い方もみられた。このような洗い場は現在53ヶ所存在し、堅田地区の住民は綺麗な水を下流まで届けるという意識を持ったまま水利施設を利用し続けていた。この成果は、建築学会中国支部研究発表会で発表した。 新規調査対象とした福井県熊川宿は、江戸時代初期より繁栄した宿場町であり、重要伝統的建造物群保存地区にも選定されている。前川と呼ばれる用水路が流れ、様々な型式の異なる建物が町並みを形成する地域である。この熊川宿の水路網の全容や水文環境、まちづくりの経緯、水利施設の現状を調査した。その結果、かわとは57ヶ所確認でき、野菜を洗うことや融雪での利用は現在でも行われていることがわかった。まちづくりの経緯は、福井大学による町並み保存対策調査から始まり、「てっせん踊り」「いっぷく時代村」などの祭事運営、自主防災デーの開催・近隣火災通報システム設置等の防災活動が行われていた。この成果は、建築学会中国支部研究発表会で発表した。
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Research Products
(6 results)