2023 Fiscal Year Annual Research Report
Reaearch of Improve housing performance in conjunction with the restoration of homes damaged by floods and other disasters
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20K04844
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Research Institution | National Institute for Land and Infrastructure Management |
Principal Investigator |
小野 久美子 国土技術政策総合研究所, 住宅研究部, 主任研究官 (20356017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 耕治 国立研究開発法人建築研究所, その他部局等, 国際協力審議役 (70833416)
渡邊 史郎 国立研究開発法人建築研究所, 建築生産研究グループ, 主任研究員 (70749209)
中野 卓 国立研究開発法人建築研究所, 住宅・都市研究グループ, 主任研究員 (30837472)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 災害復旧 / 戸建て住宅 / 性能向上 / 耐震改修 / ビルド・バック・ベター / 水害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、既存住宅ストックの質の改善を目標として、災害復旧をきっかけとした既存住宅の性能向上の促進を図るため、水害等被災住宅の復旧に併せた住宅性能向上促進方策の提案を行うものである。そのため、過去10年程度の期間に発生した自然災害事例の調査を中心に、被災地の行政機関および復旧改修工事に携わる設計者・施工者といった災害発生後の復旧にあたる関係主体それぞれの対応のあり方、円滑かつ効果的な業務・対応フロー等について検討した。 令和5年の10月に行った現地調査では、同年5月5日に発生した奥能登地震後の被災住宅の復旧対応について行政庁へのヒアリングを行った。珠洲市および輪島市には、 被災状況、被災住宅への支援制度およびその活用状況、性能向上改修の状況として平常時の耐震改修、リフォームに関する補助の活用実績等についても把握した。石川県への聴取りからは、ビルドバックベターの考え方や取り組む際の課題・ハードル等についての知見を得た。 研究実施期間中に行った、水害被害のあった4地域、地震被害のあった2地域の調査を通じて、研究全体として導かれた結論は、被災規模の程度に依るところはあるが、被災住宅の復旧時における性能向上への取り組みにおいて、復旧のみならず性能向上改修を図ることが住宅の復興、ひいては地域全体の安全・快適な住環境づくりに貢献するということである。災害の種類に関わらず、住宅の被災状況によっては、耐震改修や断熱改修を着手しやすい状況となること、災害復旧時には復興に係る補助事業の他、リフォーム工事といった平時の改修補助事業も併用して活用することが可能なこともあり、これらが性能向上改修を行うインセンティブとなることが調査からも明らかとなった。しかし、被災住宅の性能向上は被災者および行政庁にとっても馴染みのあるものではないため、被災住宅の性能向上実施事例の収集と情報発信が重要であると言える。
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