2021 Fiscal Year Research-status Report
東日本大震災における震災遺構整備への市民参加が整備後の維持管理に与える影響の検討
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20K04846
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
古谷 勝則 千葉大学, 大学院園芸学研究院, 教授 (10238694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西坂 涼 千葉大学, 大学院園芸学研究院, 特任研究員 (50868198)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 震災遺構 / GIS / 東日本大震災 / 伝承施設 |
Outline of Annual Research Achievements |
東日本大震災の震災や津波による被災の痕跡を留めた構造物・建築物である震災遺構は、震災の教訓を伝え、防災教育や復興観光に活用されるなど、災害に強い社会の形成と地域の活性化に貢献する。本研究は岩手県・宮城県・福島県を対象に震災遺構の成立経緯を明らかにし、整備状況と市民によるイメージの両面から分析して、整備・活用への市民参加や伝承活動等への活用状況、整備や維持管理の状況、地域活性化への貢献等を考察する。 令和2年度に引き続き新型コロナウイルスの影響を受け、対面・出張による打ち合わせや調査、県をまたいだ移動の自粛が要請されたため、研究計画の修正を検討した。移動を伴う現地調査や対面での調査の実施を次年度以降に見送った。震災遺構の整備状況を明らかにするため、岩手県・宮城県・福島県の震災遺構の保存・撤去の箇所や時期、整備状況、活用状況に関して報道資料等を活用した文献調査等を行い、リストを作成してデータの分析し、成果を取りまとめて論文の執筆をすすめている。また、令和2年度に整備した地理情報システムのデータを活用して、対象3県における震災遺構および伝承施設への交通手段別アクセシビリティを分析した。伝承施設からの回遊可能性を分析し今後の活用について考察した。これらの結果をとりまとめて国際会議にて2件の発表を行った。また発表とともに国際ジャーナルへの投稿を進めている。さらに、国内学術誌に研究成果が掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和3年度においても過年度に引き続き新型コロナウイルスにより、対面の打ち合わせや遠方への移動自粛をせざるを得なかった。データ共有システム、オンライン会議ツール等の導入を進めてこれに対処し、研究分担者との打ち合わせを行うことができたが、対象地に赴いての対面での調査等は困難だった。また、研究対象である震災遺構の整備や公開の時期についても新型コロナウイルスの影響により遅延が生じ、利用にも制限が発生した。新型コロナウイルスの拡大という社会的課題が、市民の意識に影響する可能性が高く、検討の末、対面での市民意識調査の実施を過年度に引き続き延期した。加えて研究対象は、研究代表者、研究分担者の住居から県をまたいだ遠方に位置しており、また研究代表者、研究分担者が感染者の多い地域に居住していたこと等より現地調査や訪問によるインタビュー調査を令和2年度に引き続き見送った。これらより調査実施、データの取りまとめおよび分析、論文執筆の工程においてやや遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は過年度に引き続き新型コロナウイルスの影響を考慮して、対象地への訪問および市民や関係者の意識調査の実施を見送り、次年度に実施することとした。新型コロナウイルス感染症の影響は令和3年度以降も大きく残ることを想定し、引き続き在宅勤務制度やデータ共有システム、オンライン会議ツール等を導入することで、研究分担者との打ち合わせの頻度を増加させ、研究データの分析及び取りまとめを効率化させる。遠方への訪問を伴うインタビュー調査では、社会情勢と対象者の意向に十分に配慮する。長時間の対面を避け、事前のアンケートやオンライン会議ツールを組み合わせたハイブリッド方式の調査を検討することで、現地訪問の人数を少人数化するなど、感染対策に配慮しながら研究を推進する。
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Causes of Carryover |
令和3年度においても過年度に引き続き新型コロナウイルスにより、対面の打ち合わせや遠方への移動を自粛したため、対象地に赴いての対面での調査等は困難だった。また、研究対象である震災遺構の整備や公開の時期についても新型コロナウイルスの影響により遅延が生じ、利用にも制限が発生した。新型コロナウイルスの拡大という社会的課題が、市民の意識に影響する可能性が高く、検討の末、対面での市民意識調査の実施を過年度に引き続き延期した。
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Research Products
(3 results)