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2020 Fiscal Year Research-status Report

A Study on US military base site utilization plan considering sustainability of watershed

Research Project

Project/Area Number 20K04849
Research InstitutionUniversity of the Ryukyus

Principal Investigator

小野 尋子  琉球大学, 工学部, 准教授 (20363658)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2024-03-31
Keywords流域水循環 / 大規模基地跡地利用 / 持続可能性
Outline of Annual Research Achievements

本研究は継続研究である。駐留米軍用地普天間飛行場 や返還地区である西普天間住宅地区は琉球石灰岩台地上にあり、高い透水性を持つ地質特性から降雨の活発な地下浸透と不透水層との接合面にあたる崖下での豊かな湧水が湧出している、地下水を基軸とする水収支が対象地域の自然特性となっている。水循環基本法でも「地域の固有性が高い」とされているように、地下水は、降雨後の流出・浸透・蒸発散・貯留・湧出のメカニズムにおいて、表面水よりも地域の環境特性の影響を受けやすく、そのため、対象地域の属性について調査をベースに 水収支を解明し、その実情に合わせたマネジメントが不可欠とされてきた。過年度の研究である又吉ら(2019)は宜野湾 E 流域の年間理論浸透量の推計値、湧水量の実測調査による区間推計値との適合度から、対象地区の土地利用別流出係数の同定を行った。翌大城ら(2020)は、地区内の湧水の実測調査を行い、各湧水の流出特性を累積雨量との関係で説明するモデルを作成した。
2020年度、調査地区内に設置した観測孔や計測計の設置により、「1降雨量」「2地下水位」「3河川の流量」の連続経緯速が可能となったため、過年度まで地下構造をブラックボックスで仮定せざるを得なか った流域水収支についてタンクモデルとして解析を組み、あわせて過年度までの推計を検証する事とし、その一部は小野ら (2021)で地下水位と湧水量を解析した。
2019年度までは算術モデルとして推計せざるを得なかった水収支について、連続観測により検証ができた。今後続く大規模基地跡地返還の計画検討でも立ち入りが不可能な中で跡地利用基本構想を策定しなければならない。先行返還された西普天間住宅地区で行ってきブラックボックス型での水収支検討が妥当であったのかを、返還後の立ち入り調査の中で検証できたことが大きな成果である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

大学施設運営部と協力し、データを取得しながら、解析を行った。調査の方法はタンクモデルによる解析が可能となるように、測定箇所及び計測方法を設定した。調査予算の制約もあったため、設置数を絞る中で、過年度までの調査整理した地表面の標高、地下不透水層面の標高、湧水の位置、表面水及び地下水の流出方向を考慮し、降雨計データ1基(1)、地下水位データ1箇所(2021年1月から工事着工に合わせて1箇所増設予定)、河川流量計1箇所を設置した。対象流域は表面流域界で2.3km2と流域界としては広くなく、流域内の湧水からの湧出量も、表面流出も、すべて河口部に近い石川原川の「計測ポイント」に最終的に流れてくる地形・地質状況を考慮した。この様にして得られた①降雨量、②地下水位、③河川流量を用いて、降雨減少後の地下水の変動や表面流出及び中間流出の関係を分析する。当該年度は、22,160回分のデータを取得することができ、データをの統計基本量の検討や連続観測結果の挙動を確認したところ、精度もかなり高いことが確認できたため、開発前状況を整理するのに十分なデータが収集できた。

Strategy for Future Research Activity

初年度の成果は、①流域水収支を用いて対象地域の晴天日の蒸発散量が得られた事、②過年度まで算術モデルとして推計していた湧水量を地下水位との関係で物理モデルとして検証しえた事、③2層2列のタンクモデルが想定された事である。今後観測期間が延びるのに沿って、季節変動をモデルに組み込み、また地下地形をGISで推定していく事によりモデルの精度を高める事が課題である。水循環のメカニズムの解析は予定以上の精度で進んでいる。
今後、2020年度に実施が不可能であった、海外の事例調査等を行う。
土地利用計画との関係、開発との影響は、開発が進展して行くのに合わせて、水循環メカニズムの変化を順次追って行く。

Causes of Carryover

2020年度は主にコロナの関係で、学生の雇用および調査のための旅費の執行が不可能であった。これらを保管するため、設置型データ計測を行い、コロナの状況が落ち着いてから、旅費等の執行を行う。

  • Research Products

    (2 results)

All 2021 2020

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 駐留軍用地跡地開発西普天間住宅地区の連続観測データを用いた表面流出の検証 -普天間飛行場基地跡地計画における提案型研究 その 20-2021

    • Author(s)
      小野尋子・榮野川優也・大城舜太
    • Organizer
      日本建築学会九州支部 支部研究会
  • [Presentation] 駐留軍用地跡地開発西普天間住宅地区のタンクモデルによる現況水収支解析 普天間飛行場跡地利用計画における緑地計画に関する提案型 研究その192020

    • Author(s)
      小野尋子・榮野川優也・大城舜太
    • Organizer
      日本建築学会九州支部 支部研究会

URL: 

Published: 2021-12-27  

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