2022 Fiscal Year Research-status Report
立地適正化計画における届出・勧告制に着目した立地誘導の効果検証と課題
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20K04850
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
山口 邦雄 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (20457758)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 立地率 / 住戸数 / 被誘導主体 |
Outline of Annual Research Achievements |
秋田市における都市機能誘導施設の立地分析は,昨年度の計画運用開始2カ年と開始後2カ年に加え,さらに2カ年分を追加して計6カ年で行った。また,居住誘導施設の立地分析も6カ年で行い,誘導区域内の立地率を算出して,誘導区域指定による誘導実績と効果を明らかにした。 さらに,各誘導施設の関する開発・建築行為主体を特定し,アンケート調査により立地検討時の考慮事項や届出制の評価を分析した。これに加え,アンケート内で個別聞き取り調査に応諾した主体から,立地決定の経緯や立地誘導の受け止め方に関する具体的情報を得て分析した。 以上から,秋田市の事例研究からは①計画運用前の2カ年と運用開始後の4カ年の計6カ年のデータからは都市機能誘導施設と居住誘導施設の立地誘導効果は確認できない。但し居住誘導を戸数ベースでみると,誘導区域内の規模の大きなマンション立地は誘導効果が期待できる。②被誘導主体は立地適正化計画の理解の不十分なものが多く,立地検討時に誘導区域を考慮する場合はわずかである。③立地決定は,土地にかかわる過去の事情が多く影響している。④居住誘導の被誘導主体においては,エンドユーザーの居住誘導区域に対する評価に影響されて立地検討している。以上の4点を明らかにした。これらを踏まえ,今後の課題として,制度の趣旨やエンドユーザーにとっての誘導区域内に立地するメリットの周知を強化すること,都市拠点構造への影響が強い誘導施設における早い段階での届出・協議の仕組みの導入すること,以上を導出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度実施した都市機能誘導施設の立地分析期間をさらに2カ年延長させたことにより,誘導実績の分析を更に詳しく行った。また,居住誘導施設の立地分析も同様に行い,かつ被誘導主体へのアンケート調査,さらに個別聞き取り調査を実施し,被誘導主体の立地誘導に関する受容意識の分析ができ,今後の課題も含め論文としてまとめることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
投稿論文で修正要求等が出た際には,加筆・修正して対応する。 受理された際には,学会に出席して発表する。
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Causes of Carryover |
査読論文の投稿が間に合わず,予定した投稿料と発表のための旅費の支出がなかったため,次年度使用額が生じた。現在,論文を投稿中であり,その投稿料と採択された際の学会参加および発表の旅費に充てる。
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