2020 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of the precipitation for the structure design and solution of water flow on the ground level in the urban area at the time of the heavy rain
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20K04863
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Research Institution | Fukui National College of Technology |
Principal Investigator |
野々村 善民 福井工業高等専門学校, 環境都市工学科, 教授 (70713353)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 設計雨量 / 大阪湾 / 確率降水量 / 一時間降水量 / 発生頻度 / 相関関係 / 降雨強度式 / 再現期間 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目標は実務で活用できる確率降水量の新たな解析方法と都市洪水の予測手法を開発することである.2020年度の本研究の目的は,8つの観測点を含む大阪湾に面した地域において,大雨時の降水量の相関関係を明らかにし,解析対象地域における実務に対応した設計雨量の算出方法を提示することである.そこで,本研究は2004年9月29日の神戸と洲本における一時間降水量データには高い相関関係にあることを明らかにし,雨雲の移動時間が1時間であることを明らかにした. 次に本研究は8つの観測点の気象データから同じ日時の降水量の最大値を抽出して,Fデータを作成した.このFデータは8つの観測点を含む地域における日最大一時間降水量の発生頻度である.Fデータを用いて算出した確率降水量は,地方自治体の降雨強度式の場合と比べて,小さくなることがわかった.例えば,Fデータの日最大1時間降水量100mmの再現期間は21年となることがわかった.参考として,兵庫県の降雨強度式を用いた場合,日最大1時間降水量100mmの再現期間は1013年となる. 上記の研究成果を用いて,本研究は福井県を含む20点の観測点の気象データを用いて日最大一時間降水量の発生頻度(FAデータ)を作成した.例えば,FAデータの日最大1時間降水量100mmの再現期間は79年となることがわかった.参考として,福井県の降雨強度式を用いた場合,福井における日最大1時間降水量100mmの再現期間は18342年となることがわかった. 以上から,本研究で提示したFデータを用いて確率降水量は,実務に対応した設計雨量の算出方法であることが明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の研究実績で記した「神戸地方気象台における確率降水量に関する研究」は鉄道建設・運輸施設整備支援機構の職員と連名で論文として発表した.よって今後の北陸新幹線の設計雨量の検討が本研究成果の適用事例となることを期待できる.なお,洲本と神戸の間における雨雲の移動時間は,降水量の相関関係から算出した.この移動時間は,同時刻の上空風の速度から算出した上空風の到達時間と比べて概ね一致することがわかった. 河川氾濫シミュレーションiRICを用いて,神戸市須磨区の妙法寺川の河川氾濫シミュレーションを実施した.今回の解析結果から,妙法寺川の外水氾濫の原因は,土石流などの滞留であることがわかった.なお,外水氾濫時の一時間降水量は235mm以上であり,その再現期間は8798年となることが明らかになった. iRICの解析を実施するに当たって,入力データとなる降雨量モデルが必要となる.神戸市内の都市河川を対象とした降雨量モデルは,2008年7月28日に発生した神戸豪雨時の降水量データを用いて作成した.福井県の河川を対象とした降雨量モデルは,2008年7月8日に発生した福井地方気象台の降水量データを用いて作成した. 本研究の成果発表を通じて,福井県内の民間企業から共同研究の打診があった.企業の取組みは,解析で出力した地表面の水の流れを3D-CADで再現し,実務で利用できるプレゼン手法を開発することである. 今後,本研究は流体数値シミュレーションSTREAMを用いて,福井県内の河川を対象として水の流れを詳細に検討する.国土地理院電子情報を3D-CAD(SketchUp)に入力することで,3D地形モデルが容易に作成できるようになった.また,3D地形モデルとSTREAMのMARS法を用いて,河川における水の流れは詳細に再現できる目途がついた.以上の研究成果は日本建築学会などを通じて,研究発表する予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度の本研究を実施することで,河川氾濫シミュレーションiRICの役割は河川の外水氾濫のマクロ解析に適用できることである.これにより,一時間降水量,河川の流量および流速の関係が概ね予測できる.また,流体数値シミュレーションSTREAMのMARS法は外水氾濫のミクロ解析に適用できることがわかった.以上の2つのシミュレーションを用いることで,河川流域における外水氾濫と一時間降水量の関係が明らかになる.iRICで解析した河川の流量と流速はSTREAMに入力することで,詳細な水の流れが予測できる.今後STREAMと地形地物を詳細に再現した3D地形モデルを用いて,地表面における水の流れを予測する予定である.また,外水氾濫の再現期間は本研究で開発した実務に対応した確率降水量の算出方法を用いて明らかにする. また,STREAMに入力する3D地形モデルは写真測量などを用いて低コストで再現できる手法を開発する.この手法を用いることで,地方自治体における空家対策などに活用できることが期待できる.
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため,河川の測量が未実施となった.そのため,旅費,人件費・謝金は0円となった.河川断面は文献調査により設定し,3D地形モデルを作成した.次年度使用額の計画は解析作業に係る物品費などに充てる予定である,
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Research Products
(3 results)