2021 Fiscal Year Research-status Report
胎児期からの切れ目ない包括型まち保育システムのモデル構築と検証
Project/Area Number |
20K04871
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
三輪 律江 横浜市立大学, 都市社会文化研究科, 教授 (00397085)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉永 真理 昭和薬科大学, 薬学部, 教授 (20384018)
松橋 圭子 東京都市大学, 人間科学部, 准教授 (50710745)
谷口 新 大妻女子大学短期大学部, 家政科, 教授 (40445185)
藤岡 泰寛 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 准教授 (80322098)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | まち保育 / 胎児期 / 切れ目ない子育て支援 / まちづくり / 市民参加 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は『まち保育』として提唱する“子どもを血縁関係だけ でなく地域社会で育み地縁でも共有できるまちづくりの観点からの仕掛け”を軸に、胎児期に焦点を当て、その生活圏域と地域 コミュニティとの解明、およびまち保育の概念とこれまでのアプ ローチの適用を試行することで、胎児期から子どもの育ちを受け入れられるコミュニティとまち全体でフォローしあえる地域社会、子どもと共に根付いていける暮らし、のモデル構築を検討するものである。設定しているのは【課題Ⅰ】胎児期が集う“場”に関する実態把握、【課題Ⅱ】「胎児期からの切れ目ないまち保育研究会」の立ち上げとフィールドの選定、【課題Ⅲ】胎児期からの切れ目ないまちづくりの試行と検証、を予定しており、2021年度は以下の2つを実施した。
①【課題Ⅰ】に対応して、2019年度に横浜市内で実施した「出産前後の就労状況(就労地や通勤地)と地域資源の認知と行動圏などに関する調査」データを再分析し、胎児期の子を持つ母親の精神的健康状態と地域での子育てへの不安に関する要因の探求を居住地年数や、ソーシャルサポートへの期待・満足具合、地域での子的な育児支援の仕組みとの出会いやタイミングについて考察した。 ②【課題Ⅱ】に対応して、実践者、行政担当者、研究者を交えた「胎児期からの切れ目ないまち保育研究会」を実施し、課題Ⅰ・Ⅲに関して情報共有や意見交換などを行った。 ③【課題Ⅲ】に対応して、胎児期からの“切れ目ない子育て支援”に向けた課題解決の ためにも、出産前からハードルの低い子育て支援のアウトリーチの形が低いと想定されるため、公的で専門的な支援の場の中で限定的に行う支援ではない、広く間口を広げて行える形の方法論の模索を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍において、産み控えや医療関係機関の協力等を自粛しているところもあり、時期を見ながらできる範囲で進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
【課題Ⅰ】胎児期が集う“場”に関する実態把握は継続してヒアリング等を実施予定。 【課題Ⅱ】「胎児期からの切れ目ないまち保育研究会」も継続実施し予定。 【課題Ⅲ】横浜市内において、行政担当者および地元の子育て支援者などと協働してまち保育システムの手法による胎児期からの切れ目ないまちづくりを試行・検証を開始している。これと並行して、保護者と子どもの地域資源(人的・物的)の活用状況、行動圏、および成育環境や育児不安等に関する縦断的把握調査を実施する。調査内容 は産休前後の就労状況(就労地や通勤地)、地域資源の認知状況・活用実態、行動圏の把握、近隣との交流関係やソーシャルサポート の状況、 育児不安、主観的心理状態および健康度等について、同一対象者に毎年同じ質問を継続的に問うものである。
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Causes of Carryover |
学会や研究会の開催がすべてオンラインとなったことで旅費の執行がほぼなしとなり、また調査実行も遅れていることと合わせ、これらはオンライン形式による調査を行うことを計画している。
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