2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of a new spatial analysis method that integrates texture, geometry and structural information of space
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20K04872
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
瀧澤 重志 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (40304133)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 空間分析 / グラフ畳み込みネットワーク / フロアプラン / アクセスグラフ / 賃料推計 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は主に,前年度に行ったLIFULL HOME'Sデータセットにおける大阪府内の3LDKの住宅系不動産の大量の間取り画像からアクセスグラフを自動的にから,グラフ畳み込みネットワーク(GCN)を用いて,アクセスグラフとして表現された間取りの不動産的価値(間取り価値)を推計する方法を提案した.その概要を示す.間取り価値推計を行うGCNと一般的な面積等の不動産の表形式データを入力とした賃料推計用の3層のネットワークを組み合わせて.学習用ネットワークを構築した.入力されるグラフデータは,10種類の室用途ラベル付きのノードと,ノードの隣接関係を無向グラフとして表すエッジからなる.このNNで学習を行い,学習済みのGCNの部分だけを使って各物件の間取り価値を推計した.次に表形式データとして,賃料推計に必要かつ欠損が少ないものとして,9個の説明変数を採用し,それを用いて,一般的な線形重回帰による賃料推計モデルを構築した.10回交差検証で学習させ,各テストデータの間取り価値を推計し,賃料推計モデルに,間取り価値を入れない場合と入れた場合とで精度評価を行った.わずかではあるが,間取り価値を入れたモデルの精度が向上した.また,各賃料推計モデルの説明変数の対数価値を把握したところ,間取り価値は一般的な不動産評価指標(立地,面積,年数)の次に高い説明力を示した.間取り価値が最高,平均,最低の間取りをサンプル的に把握したところ,結果はいずれも納得感があるものであった. その他,昨年度の主要な研究成果である,街路空間の印象評価における深度マップ等を入力データとしたCNN学習に関する研究は,2022年6月にノルウェーで開催されるスペース・シンタクスに関する唯一の国際会議である13SSSにてロングペーパーとしてアクセプトされた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に示した主な課題のうち,グラフ畳み込みネットワークについては未着手であったが,それについて今年度取り組んだ結果,一定の成果を得たため.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は予定通り,これまでの研究を総括する方向で研究を進める. 具体的には,Liful homesやMatterportなどのフロアプランのアクセスグラフや,道路ネットワークのノードに対して,開発した画像によるIsovist的な空間特徴量を圧縮して属性情報として与え,グラフ畳み込みを行う深層学習モデルを開発する.これにより,空間の局所的な特徴と空間構成というマクロな特徴の両者を考慮できる,新しい空間表現のプロトタイプモデルを目指す.
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスにより国内学会がオンラインになったり国際会議が延長され,旅費が大幅に余った. 世界的な半導体不足で,計算機の更新をするほどの性能向上が見られなかった.
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