2021 Fiscal Year Research-status Report
成熟社会に対応した漁業集落の復興まちづくりの方法論に関する研究
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20K04875
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 宏亮 芝浦工業大学, 建築学部, 教授 (10449332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤田 雅浩 兵庫県立大学, 減災復興政策研究科, 准教授 (00329343)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 復興まちづくり / 事前復興 / 漁業集落 / 集約再編 |
Outline of Annual Research Achievements |
西日本の漁業集落では東南海地震の津波災害に備える事前復興まちづくりの取り組みが進められている。しかし、人口減少が進行する中で、全ての漁業集落を将来にわたって維持していくことは困難になると想定されている。本研究では、漁業集落の成立要因でもある生活と生業の一体性や圏域を単位とした相互依存関係という特異なメカニズムを紐解いたうえで、漁港や集落の集約再編に係わる住民の意識構造を明らかにし、成熟社会に対応した漁業集落の被災後の復興まちづくり、事前復興まちづくりのモデルや方法論を提示することを目的とする。 本研究では、東日本大震災の10年の復興過程における漁業集落の人口移動や生業の状況などの分析を統計データを用いて実施した。特に、中小漁業集落を対象とした分析を三陸沿岸の中心都市の動向と比較することで、中小漁港の背後集落の復興過程における人口や生業の変遷について明らかにした。また、西日本の漁業集落を研究対象地として選定し、地区住民へのアンケート調査、およびヒアリング調査を実施し、被災後を想定した住民の居住地選択の意向やその要因について、居住履歴や生業の継続、家族の動向等、様々な要因から分析を進めている。 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、現地でのフィールドワークの実施が困難であったため、オンラインも活用して調査を進めてきたが、2022年度は状況の改善が見込まれるため、現地におけるヒアリング調査を実施することでより深く分析をおこなっていく。また、比較対象となる地区を選定したうえで、マクロでの人口移動についても調査分析を実施することで、漁港や集落の集約再編を進めていくための課題や方法論について検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度に引き続き、新型コロナウイルスの感染拡大によってフィールドワークの実施が大幅に制限された。特に、住民を対象としたヒアリング調査はオンラインで実施することが困難であったため、当初の実施予定時期から大幅におくれた。その結果、調査のとりまとめや調査結果にもとづく分析や考察の作業が年度内に終了していない。2021年度秋頃から状況が改善したためにフィールドワークを実施し、限定的ではあるが調査を実施した。現在調査結果のとりまとめを進めており、2022年度作業において他地域における調査へと展開していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は状況の改善が見込まれることから、現地での調整を進め、アンケート調査やヒアリング調査を実施する予定である。また、東北太平洋沿岸地域の復興に関わるデータが集まりつつあるため、データ解析と考察の作業を同時進行で進めていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大が継続しており、フィールドワークが実施できなかったことで、出張旅費が大幅に繰り越しとなったことが大きな要因である。2021年秋頃から状況が改善してきたため、限定的であるが調査は開始している。 2022年度は調査スケジュールの見直しを行うとともに、調査内容を可能な範囲で変更し、可能な限り現地でのフィールドワークを実施していく予定である。
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Research Products
(1 results)