2020 Fiscal Year Research-status Report
Changes in gardener's farmland in Komagome area and the inheritance of gardening culture due to the earthquake migration
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20K04892
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Research Institution | Ashikaga University |
Principal Investigator |
渡邉 美樹 足利大学, 工学部, 教授 (90326819)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 植木屋 / 駒込 / 地籍地図・台帳 / 園芸雑誌 |
Outline of Annual Research Achievements |
国立国会図書館に所蔵されている、明治期の「園芸雑誌」(マイクロフィルム)を通覧し、駒込・千駄木地区の植木屋の記事を抽出した。駒込地区については、高木家と内海家の沿革が掲載されており、文京区史などの資料と比較することができた。それらの資料から駒込地区の植木屋のリストを作成した。「安政年代駒込冨士神社周辺之図及び図説」で記載されている「ウエ木ヤ」について、氏名を抽出し、リストに追加した。さらに盆栽大辞典によって人名検索し、若干の情報を得た。 大正元年地籍台帳により、上記のリストにある植木屋の名義を抽出し、地籍図によって所有地をプロットした。「安政年代駒込冨士神社周辺之図及び図説」記載の植木屋と大正元年地籍地図の植木屋(姓)の所有地を比較した。相続などの問題によって、植木屋の氏名と所有者の氏名が異なる箇所が数多く、領域を特定できない箇所もあるが、おおむね、明治期の植木屋農地の領域を知ることができた。また、大正元年地籍地図では、染井野伊藤家の所有地も点在し、高木家、内海家の所有地が地域全体に点在している。このような点在する敷地をどのように管理していたのか知ることは今後の課題である。 一方、現在の住宅地図を確認すると、大正元年の植木屋の屋号、名字が残っている例はごくまれで、駒込の地区の植木屋はことごとく廃業、転居したことがわかる。当時の植木屋の姓は、千駄木団子坂近辺が浅井、浅野、清水で特に清水は大宮盆栽村の創設者の一人である。駒込が今井(名主も勤めた)、高木、内海、染井が伊藤で、伊藤、高木、清水はそれぞれの住所地域以外にも数多くの農地を所有していた。このうち、伊藤、高木、浅井の子孫が現在でも同じ場所に残っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
緊急事態宣言により、実地調査、特にインタビューなどができなかった。資料のある各施設は閉館してしまった。国立国会図書館は予約抽選で入館することができた。安政年代の絵図に記載の文字の比較検証がおおむね終了したため、次に建物の形状、素材や農地の立体表現との比較を行い、成果を論文にまとめる事を目標とする。資料の収集と卓上で整理できる作業に専念し、概ね計画通りに研究を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度閉館していた地域の郷土資料館や実地調査に重点を置いて、研究を継続する。 資料により、駒込の植木屋の位置を特定し、当時の状況を復元する。安政年代の絵図に記載の文字の比較検証がおおむね終了したため、次に建物の形状、素材や農地の立体表現との比較を行い、成果を論文にまとめる事を目標とする。資料の収集と卓上で整理できる作業に専念し、概ね計画通りに研究を進めることができた。
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Causes of Carryover |
緊急事態宣言などにより現地調査ができなかったため、次年度予算として繰り越した。
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