2021 Fiscal Year Research-status Report
Changes in gardener's farmland in Komagome area and the inheritance of gardening culture due to the earthquake migration
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20K04892
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Research Institution | Ashikaga University |
Principal Investigator |
渡邉 美樹 足利大学, 工学部, 教授 (90326819)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 植木屋 / 駒込 / 地籍地図・台帳 / 園芸雑誌 / 大宮盆栽村 / 安政年代駒込冨士神社周辺之図 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、安政年代絵図の検証と分析を遂行した。その成果を渡邉美樹単著「安政年代駒込冨士神社周辺之図及び図説にみる植木屋農地」GARDENERS' FARMLAND IN KOMAGOME AS SEEN IN THE 'ANSEI PERIOD KOMAGOME FUJI SHRINE AREA MAP AND ILLUSTRATION' として日本建築学会計画系論文集へ投稿、2022年8月号掲載予定としている。また、日本建築学会2022年度大会発表論文として、「安政年代駒込冨士神社周辺之図および図説の検証 その1 絵図に見る高木、内海、清水の居宅」を投稿した。これにより得られた知見は以下の通り ・安政年代絵図の範囲内の農家は、ほぼ全てが植木の育成や造園を生業としていた。 ・本地区は、高木、清水、内海などの広大な農地を持ち植木を育成する者、造園や植木細工を行う者、学者など様々な専門分野の植木屋が活動し、江戸の大名庭園や寺院の造園、庶民の縁日での花卉の販売など幅広い需要に応える地区であった。 ・安政年代絵図に多数見られる「高木」姓の農民・町民は、飛び地で広大な土地を所有していた。その一部は明治期まで継承されており、大正元年地籍図からは、同じく「内海」、「清水」、「伊藤」も飛び地で土地を所有していた。「高木」、「内海」、「清水」は駒込村の旧家者の子孫として、また下駒込村の村役として江戸期の文書からも確認する事ができた。よって、安政年代絵図に掲載される植木屋についての活動を把握し、大正元年地籍図との姓の照合によって居宅の場所をある程度特定する事ができた。安政年代絵図を現在の地図上へ再現することが可能となったため、重ね地図に当時の建物をプロットする作業を進めている。さらに、千駄木地区の植木屋について、明治期の資料によって概要の調査を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
植木屋に関して安政年代絵図の分析がほぼ完了し、成果を査読付き論文としてまとめることができた。安政年代絵図の再現が概ね可能であることが明らかとなった。モデル制作の作業、大宮盆栽村への移住後の状況、シンポジウムについての課題が残るが、年度内に完了することを目指す。ただし、資料館の入館制限などが再びある場合は、資料収集や調査が困難となる可能性がある。
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Strategy for Future Research Activity |
安政年代絵図の再現については以下の通り ①現在の地図に安政年代絵図記載の建物、樹木などをプロットする②店舗(町屋)、武家屋敷、蔵、農家住宅、室などの階数や規模に合わせて何通りかのプロトタイプモデルを作成する③現代の地形図に合わせて建物と樹木などをプロットして再現する④畑、川などの素材を加える 大宮盆栽村の経緯を調査研究する シンポジウムの準備をし、報告書を作成する
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Causes of Carryover |
新型ウイルス流行により、現地調査がままならず、国立国会図書館、資料館などの資料収集のための施設が閉鎖や入館制限があり、旅費の執行が滞ったため。
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Research Products
(3 results)