2022 Fiscal Year Research-status Report
Changes in gardener's farmland in Komagome area and the inheritance of gardening culture due to the earthquake migration
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20K04892
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Research Institution | Ashikaga University |
Principal Investigator |
渡邉 美樹 足利大学, 工学部, 教授 (90326819)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 安政年代駒込冨士神社周辺之図及び図説 / 安政年代農地の復元 / 高木重郎右衛門 / 近代庭園文化 / 東京市史稿遊園編 |
Outline of Annual Research Achievements |
以下に令和4年度の研究実績を報告する。 〔論文執筆について〕査読付き論文1編:安政年代駒込冨士神社周辺之図及び図説にみる植木屋農地、単著、日本建築学会計画系論文集、日本建築学会計画系論文集 87(798) 1593-1601 2022年8月1日 英訳ジャーナル(招待)1編:GARDENERS' FARMLAND IN KOMAGOME AS SEEN IN THE 'ANSEI PERIOD KOMAGOME FUJI SHRINE AREA MAP AND ILLUSTRATION'2022 Volume 87 Issue 798 Pages 1593-1601 DOIhttps://doi.org/10.3130/aija.87.1593CiNii Researchhttps://cir.nii.ac.jp/crid/1390292936928848000?lang=ja 学会発表1編:安政年代駒込冨士神社周辺之図および図説の検証 その1 絵図に見る高木、内海、清水の居宅、著者:渡邉美樹(足利大)・喬智鵬、2022年日本建築学会大会(北海道),F-2,p.557 〔調査研究について〕安政年代駒込冨士神社周辺の図を現在の地図に落とし込み、復元する作業を開始し、町家と農家住宅、農地について概ね完成した。当時村役であった高木家のルーツについて、美濃国石津郡高須城主高木十郎左衛門である可能性が資料(東京市史稿)によって確認され、滋賀県立博物館、文京区教育委員会、豊島区郷土資料館の学芸員らの協力を得て研究作業を進めている。大宮盆栽村へ移住した加藤家の駒込における植木屋所在地が判明し、また内海家についても、更に詳細な史実が確認された。京都、香川において近現代の庭園(植木屋)文化の現況についての視察研究を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究内容としては、駒込村植木屋農地の様相と明治期における植木屋の活動について明らかになった。大宮盆栽村へ移転した植木屋についても、駒込村での様子を概ね把握する事ができた。今後は、駒込村高木家のルーツについてのさらなる情報収集によって、冨士神社周辺の江戸期の駒込村植木屋の背景を明らかにすること、千駄木地区の植木屋についてさらに詳細な考察をまとめて研究成果とする。 研究成果として審査付論文1編が完成しており、また招待による英訳ジャーナルが掲載されており、広く海外にも当該研究が公開された。駒込村の農民のルーツについて新たな史実が確認されたため、大宮に加えて滋賀県立博物館と文京区、豊島区の郷土史学芸員など地域を越えた研究者との情報交換がなされ、研究の発展に繋がった。安政年代駒込冨士神社周辺の図の復元については、当初模型制作を検討していたが、研究内容を広く公開するためには3Dによる復元の方がより有効であると考え、3D制作を行っている。道路と農地の復元と町家と農家住宅の建物作成については概ね完成している。 以上、最終年度である本年度に各研究者とも連携して研究を総括し、審査付き論文の執筆と報告書の作成に向けての準備が整っているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、駒込村高木家のルーツについて、滋賀県立博物館、豊島郷土資料館、文京区教育委員会、大宮盆栽村の学芸員と更に情報交換を行い、資料収集を行うことによって、冨士神社周辺の江戸期の駒込村植木屋の背景を明らかにする。また大宮盆栽村へ移転した、加藤家、内海家の明治期の植木屋としての活動を明らかにすること、同じく大宮盆栽村へ移転した千駄木地区の植木屋(清水家)について、明治期の活動を明らかにすること、明治期の千駄木の植木屋の活動を考察する。冨士神社周辺の図の復元については、絵図に記載された樹木や木戸など、さらに細かなパーツを作成する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスの流行による博物館、資料館の一時休館等によって資料収集や実地調査の機会に制限が生じたこと。地域の勉強会やシンポジウムなどの研究成果発表の機会に制限が生じたこと。当該研究対象のルーツについて、新たな史実が確認されたことによって、研究協力者の巾が広がったため、本年度は地方の研究者とも連携して研究を遂行する。次年度経費の支出内容については、地方の研究機関への旅費、連携研究者への専門知識の提供についての謝金、報告書掲載への謝金が主となる。その他の人件費として、CG作成における作業補助(アルバイト)などが発生する。その他、研究資料の購入費、研究資料の複写費とする。
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Research Products
(3 results)