2020 Fiscal Year Research-status Report
近世ヴェネツィア共和国による帰属都市への建築的介入
Project/Area Number |
20K04895
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
青木 香代子 日本女子大学, 家政学部, 研究員 (00597065)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ヴェネト / 近世 / 建築史 / 都市史 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は、パドヴァ、ヴィチェンツァ、ヴェローナの各都市で16世紀後半から17世紀初頭におこなわれた建築的介入の実態を理解するため、その基盤となる社会背景に関する資料の収集をおこなった。研究開始当初の計画では、ヴェネツィア国立古文書館、国立マルチャーナ図書館、クエリーニ・スタンパーリア財団図書室、ヴィチェンツァ市立ベルトリアーナ図書館、ヴェネツィア建築大学、パドヴァ大学、ヴェローナ大学等における史料・文献の収集と、実地調査をもとに研究を進める予定であったが、コロナウィルス感染症の流行により渡航が困難であったことから、オンラインサービスを利用するとともに、イタリア在住研究者の協力を得ることで研究を進めた。 その結果、研究対象となる3都市には、ヴェネツィア共和国が主導して整備したとされるピアッツァ・デイ・シニョーリという名の広場が存在し、いずれにおいてもヴェネツィアから派遣されたポデスタ(執政長官)やカピターノ(軍事長官)のすまいや政務をおこなうためのオフィスが存在していたことが確認できた。しかしながら、3都市の広場の形成史を整理・比較してみると、整備された時期が異なることが明らかとなった。このことから次年度の課題として、都市ごとの当該時期の時代背景を正しく理解するともに、ヴェネツィア共和国との政治的・社会的な関係についてより詳細に把握し、都市への建築的介入の事由を明らかにする必要性があることが明確になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ・ウィルス感染症の流行により現地調査を中止したことが原因で、研究の遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究開始当初の計画では令和3年度は最初の研究対象なるパドヴァにおいて、2度の調査(8月ならびに1月)を計画していたが、実施が危ぶまれる。したがって、当該年度は研究対象をパドヴァに絞らず、ヴェローナ、ヴィチェンツァについて、日本国内から利用できるオンラインサービス等を利用して、資料を収集し、翻訳・分析を進める。そして、次年度以降、現地調査が可能となる際に、短期間で効率良く調査を進められるよう準備を整える予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナ・ウィルス感染症の流行により現地調査を中止したことが次年度使用額が生じた理由である。当該年度に予定していた調査は次年度以降に延期し、その際旅費等として使用する。
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