2020 Fiscal Year Research-status Report
A study on the residential area formation focusing on land ownership of foreign residents in modern Kobe
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20K04899
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Research Institution | Akashi National College of Technology |
Principal Investigator |
水島 あかね 明石工業高等専門学校, 建築学科, 准教授 (90454769)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 神戸 / 塩屋 / 外国人住宅地 / ジェームス山 / 都市形成 / 英国人 / 近代 / リゾート |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う移動の制限により、海外及び県外での文献史料調査を実施することができなかった。そのため神戸市立国会図書館、神戸市文書館、神戸市立博物館、神戸地方法務局などの県内施設での文献史料調査、既に収集した文献史料の解読を中心に研究を進めた。また塩屋に長く居住したハロルド・S・ウィリアムズ氏の娘に対し、メールによる聞き取り調査を実施することができた。 以上より、明治期から戦前期にかけての塩屋の外国人コミュニティ(特に英国人)の実態や外国人資本家らによる塩屋の土地取得や運用の実態を把握することを試みた。そして、六甲山開発者で知られるA.H.グルームや日立造船の創業者であるE.H.ハンターなど神戸を代表する実業家らが、おそらくリゾート開発を目的に塩屋の土地を取得していたこと、彼らの土地集積と運用が後のE.W.ジェームスによる外国人住宅地開発に繋がったとの仮説を立てることができた。また、この外国人住宅地が、性格の異なる2つの段階を経て開発されたことも明らかになった。 2020年度日本建築学会大会(関東)学術講演梗概集に「神戸塩屋における外国人社交クラブの成立と変遷」での発表や、2021年4月に刊行された中川理, 空想から計画へ編集委員会『空想から計画へ-近代都市に埋もれた夢の発掘』に「神戸市塩屋における外国人住宅地の開発と変容―「ジェームス山」の誕生」(第7章)と題した論考の執筆により、これらの成果を発表した。また、一般市民を対象とした、「まちのかたち キオクノキロク『旧グッゲンハイム邸≒?≠旧ライヲンス邸』」(11月3日に旧グッゲンハイム邸にて開催)にて、「J.ライヲンス・J.グッゲンハイム と塩屋」と題した発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う移動の制限により、当初予定していた海外や県外での史料文献調査を実施することができなかった。しかし、可能な調査とこれまでに収集した文献史料の解読やにより、新たな成果を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画していた英国や米国での史料文献調査については、社会情勢をみながら実施の可否を検討する。また国立国会図書館での史料文献調査に関しては、県外移動可能な時期に実施できるように調整を進めたい。また、既に収集している史料や文献の解読やインターネットを活用した調査等を進めるなど、臨機応変に研究を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
今年度は新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う移動の制限により、当初予定していた海外や県外での史料文献調査を実施することができなかった。そのため移動にかかる旅費等の使用ができなかった。次年度以降、社会情勢を見ながら今年度予定していた海外、県外調査を実施したいと考えている。その際、今年度に使用できなかった旅費等を使用する計画をしている。
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