2021 Fiscal Year Research-status Report
アフガニスタン・ヘラート旧市街地保全のためのまちづくり計画案の策定
Project/Area Number |
20K04906
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
安藤 徹哉 琉球大学, 工学部, 教授 (60222783)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 研究論文投稿 / 保全ならびに復元計画の基礎資料 / 文化財的価値の提示 |
Outline of Annual Research Achievements |
アフガニスタンにおけるターリバンによる政変と新型コロナウイルス蔓延防止のため、当初、計画していた住民ワークショップは中止せざるを得なかった。ただし、ヘラート旧市街地の文化財的な価値を示すために、現地調査を遂行し、その結果を下記の二篇の研究論文として日本建築学会計画系論文集に投稿した。 VERIFYING THE ACCURACY OF THE NIEDERMAYER MAP (1915) OF HERAT’S OLD CITY(2022年5月号掲載決定) TRANSFORMATION OF DALANS IN HERAT OLD CITY(再査読中) 前者は、ヘラート旧市街地の1915年作図の古地図を現在の衛星写真と比較することにより、その正確性を示したものである。古地図において、残存する部分が正確であることを示したことにより、失われた部分(城壁や城門)も正確であったであろうことが確認され、復元に向けてのベースマップとすることが示せたことは大きな成果である。また後者は、ヘラート旧市街地の伝統的景観を考える上で重要な要素であるダーラン(歩道上空の構築物)の変化を分析することにより、かつてのヘラート旧市街地の様相を再現することができた。 以上の投稿済み論文に加えて、現在、二篇の学術論文を執筆中である。これらの研究成果は、今後のヘラート旧市街地の保全ならびに復元計画を策定する上で欠かすことのできない基礎資料となる。また将来的に、その成果を住民に開示し、ヘラート旧市街地の保全計画、ひいては復元計画へと結びつけていきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アフガニスタンにおけるターリバンによる政変と新型コロナウイルス蔓延防止のため、当初、計画していた住民ワークショップは中止せざるを得なかった。このため、区分を「やや遅れている」としたが、住民ワークショップ以外の部分では順調に現地調査を進めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
ターリバンにより集会が禁止されているため、今後も住民ワークショップが開催できるかどうかは不透明である。このため、先行してヘラート旧市街地の文化財的価値を示すような調査・研究を進め、その研究成果を地元のヘラート大学の研究者たちと共有することにしている。
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Causes of Carryover |
住民ワークショップを実施しなかったため、当初計画通りに人件費・謝金を使うことができなかった。しかし、次年度も引き続きヘラート旧市街地における現地調査を行い、その文化財的価値を裏付けるような研究を進める予定である。この現地調査にはヘラート大学の学生をアルバイトとして雇い上げる予定である。
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Research Products
(1 results)