2020 Fiscal Year Research-status Report
パルス放電によるグリーンプロペラント反応ロケットの噴射・放電条件の解明と性能評価
Project/Area Number |
20K04919
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
青柳 潤一郎 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (10453036)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 宇宙推進ロケット / グリーンプロペラント / パルスプラズマスラスタ |
Outline of Annual Research Achievements |
年度当初にHAN系グリーンプロペラントを調達した。また、ステンレス微細管をノズルとするインジェクタを構築・改修して、高電圧印加による噴霧とパルス放電機構の作動試験を真空中で実施した。その結果、パルス放電の誘起は確認できたが、噴射の再現性を得ることが困難だったため、安定した性能測定ができなかった。また、ノズルから漏れたグリーンプロペラントの一部が変質することで、以降の噴射が不能となる事態を確認した。そこで、計画どおり真空中での安定した貯蔵と噴霧を目的として、電磁石とバネ機構を用いて噴霧を制御するインジェクタの設計・試作に着手した。 インジェクタ試作機の構体は3Dプリンタにより形成した。噴射部には市販の微細ノズルを採用し製作コストを抑えた。試作機を使った電磁石による開閉操作の結果をもとに、改修を繰り返した。試作機に水を貯蔵して真空環境に置くと、リークが確認され、設計が不十分だったことが判明したため、設計の一部を見直し、改修作業を実施した。最終的にリークを抑える方法を確立し、実験室モデルとしての製作を進めた。 以上の取り組みは、実用を想定した真空環境下で噴霧インジェクタを正常に作動させ、安定したグリーンプロペラントの供給とパルス放電機構の作動を実現させるために有意義であった。この取り組みの結果、今後のインジェクタおよびグリーンプロペラント反応促進ロケットの真空中作動試験における効率的かつ定量的な評価ができると期待できる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
電磁石を使った開閉機構の設計と、真空中における推進薬のリーク防止対策に当初の計画以上の時間を要したため。
|
Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画に沿った、インジェクタ実験室モデルの真空中での噴射試験。ならびにパルス放電機構の設計・製作。 その後、以上を組み合わせたグリーンプロペラント反応促進ロケットの作動と推進性能取得試験の実施。 併せて、研究進捗のホームページ等での公開、学術研究学会での研究成果発表や論文投稿。
|
Causes of Carryover |
当初計画からの遅れにより、必要な設備等の調達が行えなかったため。また、同様の理由から、十分な研究成果が得られず、成果発表の機会が得られなかったため。 次年度の研究進捗により、速やかに実験設備の仕様を決定し、調達する予定である。
|
Research Products
(1 results)