2020 Fiscal Year Research-status Report
Influence of Precursor Phenomena on After body heating of a Atmospheric Entry Capsule
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20K04923
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
山田 剛治 東海大学, 工学部, 准教授 (90588831)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | プリカーサ / 衝撃波 / 電子密度 / 電子温度 / CFD / アルゴン |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は最初に1次元数値流体力学計算コードの改良に取り組んだ。アルゴンを対象として衝撃波前方での光電離反応、電子励起を組みこんで従来の計算コードをアップデートした。そして様々な条件で計算を実施してプリカーサ現象の有無により熱的緩和距離や電子密度の値に差異が生じることを明らかにした。また、衝撃波管で計測した衝撃波前方領域の電子密度・電子温度と数値解析結果を比較したところ非常に良い一致が得られた。しかしながら、衝撃波後方領域の電子密度に関しては、実験値の方が一桁程度高くなり、解析結果との不一致が確認さらた。衝撃波背後の電子密度の計測に関しては、これまで水素原子バルマー線のシュタルク広がりを利用してきたが、実験値自体の検証のため他の計測手法との比較検証が必要であると考えられる。そのため本研究では、アルゴンの衝突輻射モデルを新たに開発して、計測したアルゴン原子スペクトル線から電子温度・電子密度を導出する手法を構築した。今後はこの計測結果の精度評価を実施して数値解析コードの精度向上を実施していく。 輻射と流れ場の連成解析手法に関してはまだ完了していないが、衝撃波前後領域における単一波長の輻射強度の空間分布計測データの取得を行っており、連成解析手法が完了後に比較と検証を実施する。 次年度に実施する予定の2次元楔模型周りの数値解析に着手して、膨張領域における熱化学非平衡特性と空力加熱率への相関関係について現在調査を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの影響により、実験の実施に影響があったため計画に遅れが生じたことが要因である。一方で次年度に実施する予定の数値解析に着手するなどしてこれ以上の遅れが生じないように努力した。
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Strategy for Future Research Activity |
流れ場と輻射の連成解析手法を完了して、比較検証を進めていき、衝撃波管を用いた1次元の流れ場に関しての解析モデルの高精度化を完成する。次年度に関しては、2次元楔模型を用いた実験を円滑に進めることができるように、膨張波管への改良と試験気流特性の調査及び熱流束計測手法を確立する。並行して2次元楔模型の数値解析を進めていき、数値的に模型の背面形状が空力加熱率へ及ぼす影響について明らかにする。
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Causes of Carryover |
残額が少額であるために、購入物品の価格の割引等により生じたものと考えられる。次年度の請求額と合わせて少額の消耗品の購入に使用することを計画する。
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