2020 Fiscal Year Research-status Report
膜面-ケーブル複合構造物を対象としたIGA/FEMハイブリッド解析法の開発
Project/Area Number |
20K04924
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
中篠 恭一 東海大学, 工学部, 准教授 (60408028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 芳隆 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授 (50300702)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Isogeometric解析 / 膜構造物 / ケーブル構造物 / 有限要素法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,近年注目を集めているIsogeometric解析(IGA)と従来型の有限要素法(FEM)とを組み合わせたIGA/FEMハイブリッド法を新たに提案/開発し,これをケーブル-膜面複合構造物の数値構造解析に適用することを目的としている.基本的なアイデアは,膜面部をIGAでモデル化し,ケーブル部に関しては節点群の配置をNURBSパラメータ空間上の2次元パラメータと1対1対応させることで離散化し,ケーブル剛性をFEMに基づいて評価するというものである.また,本研究課題の目的はIGA/FEMハイブリッド解析コードの開発にとどまらず,開発したコードをゴッサマー宇宙構造物や成層圏気球の構造解析といった実問題に適用して解析性能を評価し,本研究で提案する手法により高精度・高効率な解析が可能であることを実証することも視野に入れている. 本年度は上記の方針に基づき,ケーブル剛性評価のための定式化を行った.はじめにケーブル節点の基準配置座標をNURBSパラメータ空間上の点(ξ,η)と1対1対応させ,続いてNURBSパラメータ空間上の写像点(ξ,η)と周辺NURBS制御点の空間座標との関係に注目して,NURBS制御点変位でケーブル剛性を離散化した.得られた結果をもとに,FEMに基づいてケーブル要素の接線剛性マトリクスを算出し,IGA膜面モデルの接線剛性への加算項を導いた.上記の定式化では,ケーブル部はFEMでモデル化されるものの,最終的な離散化はNURBS制御点変位に帰着する.導出した加算項を既存のIGAモデルに組み込めば,理論的にはケーブル-膜面複合構造物のIGA/FEMハイブリッド解析が可能である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では,本年度中にケーブル有限要素モデルを既存のIGAコードに実装する目途であった.現状はケーブル有限要素モデルの定式化にとどまっており,研究計画はやや遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究で導出したケーブル要素のFEMモデルを現有のIGAコードに実装する.コード開発を効率的にすすめるため,はじめにMatlabスクリプトで開発済みのIGAコードにケーブルモデルを実装して,単純なモデルを対象とした構造解析を実施し,解析コードの妥当性を確認する.上記の後,Fortranベースの解析コードにケーブルモデルを実装し,本研究課題で解析対象としている,MTS (Membrane Tensioning System)や新型成層圏気球のIGA/FEMハイブリッド解析を実施する.ただし次年度はIGA/FEMハイブリッド解析コードの基本性能を検証するにとどめ,MTSの形状最適化問題や,新型成層圏気球の安定性評価等,具体的なアプリケーションに対する詳細な数値構造解析は最終年度の課題とする.
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Causes of Carryover |
当初の予定では,本年度にIGA/FEMハイブリッド解析コードの開発に使用する数値計算ライブラリやコンパイラ環境を購入する予定であった.ただし,研究計画はやや遅れており,本年度は提案する解析モデルの定式化にとどまっている.このため数値計算ライブラリ等の購入は次年度に見送った.また,コロナの影響でオンサイトの学会に参加する機会がなく,本年度は国内旅費に関する支出がなかった.
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