2021 Fiscal Year Research-status Report
Side-by-Side係船時の遮蔽影響を考慮した風荷重推定法に関する研究
Project/Area Number |
20K04948
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Research Institution | National Institute of Maritime, Port and Aviation Technology |
Principal Investigator |
湯川 和浩 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (80435776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 賢太 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (20772130)
石田 圭 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (60636827)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 風荷重 / 可視化 / 遮蔽影響 / バンカリング / Side-by-Side / 2船体 |
Outline of Annual Research Achievements |
天然ガス燃料船を想定してPCC船型、バンカー船を想定して内航LNG船型の組み合わせにより、2船体周りの可視化試験を行った。載荷状態は2船の乾舷差が大きくなる(天然ガス燃料船によるバンカー船への遮蔽影響が大きくなる)ように、天然ガス燃料船は軽荷状態、バンカー船は満載状態を対象とし、天然ガス燃料船が単船の場合とバンカー船が横付けする場合について計測を行った。試験では、天然ガス燃料船に対し、バンカー船の有無や2船間の側方距離、風向の違いをパラメータとした。可視化のためのトレーサーには、内部にヘリウムを入れて浮力調整を行った平均直径が300μmのソープバブルを使用した。水平断面にレーザーのシート光を当てて模型上部に設置した高速度カメラによりフレームレート1,000fpsでトレーサーの画像を撮影し、後処理として2次元PIV解析を行った。 その結果、天然ガス燃料船の風下側に生じる遮蔽エリアの風向毎の変化や2船の船首尾付近から発生する剥離渦の様子と2船間側方距離の違いによる傾向の差、2船体周りの平均風速の分布など、従来確認されてこなかった情報が可視化することで明らかとなった。また、前年度に計測した2船体に作用する風荷重の傾向も可視化試験の結果と組み合わせることで説明が可能となった。これらの情報に基づき、風荷重の数値計算法に関する検討を継続した。また、可視化試験については、所属機関での公開実験として一般応募者を対象に公開(オンライン配信)した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和3年度は、PCC船型(天然ガス燃料船を想定)と内航LNG船型(バンカー船を想定)の組み合わせを対象として可視化試験を実施し、水平面での2次元PIV解析により2船体周りの風場に関するデータを取得することができた。これにより2船体周りの剥離の状況や遮蔽エリア、2船体に作用する風荷重の傾向に対する裏付けなどが可能となった。遮蔽影響を考慮した風荷重推定法に資する情報が得られ、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は天然ガス燃料船としてVLCC船型を対象とし、バンカー船との組み合わせに対して風荷重計測試験を実施し、遮蔽影響を考慮した荷重データを取得する。また、前年度に実施した2船体周りの風場の可視化試験も行い、天然ガス燃料船(VLCC船型)が単独の場合とバンカー船が横付けしてLNG移送オペレーションの状態にある場合(2船体)で船体周りの風場がどのように変化するのか、その特性を把握する。前年度までに天然ガス燃料船として対象にしたPCC船型と比べると、バンカー船との乾舷差が小さいため、船体に作用する荷重や2船体周りの風場に及ぼす乾舷差の影響についても比較検討を行いたい。それらのデータに基づき、遮蔽影響を考慮した風荷重推定法の構築に関する検討を進めて行く。
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Causes of Carryover |
既存治具等の流用が可能となったことに依る。次年度に実施する可視化試験で使用する解析ツールの購入に充てさせて頂きたい。
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