2021 Fiscal Year Research-status Report
仮想ノードを考慮した静的・動的ネットワーク型システムの統一的評価方法に関する研究
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20K04964
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
山本 久志 東京都立大学, システムデザイン研究科, 教授 (60231677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
肖 霄 東京都立大学, システムデザイン研究科, 助教 (30707477)
秋葉 知昭 千葉工業大学, 社会システム科学部, 教授 (60505767)
新行内 康慈 十文字学園女子大学, 社会情報デザイン学部, 教授 (90267774)
中村 太信 東海大学, 情報理工学部, 助教 (50880720)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ネットワーク型システム / consecutive k-system / 信頼度計算 / 最適配置 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は、大規模・複雑なネットワークシステムの全点間信頼度算出のために、可能な限り似た構造を有する部分ネットワークシステムを仮想ノードと見なし計算負荷を軽減する考えの有効性を実証した。最初に、1)コンポーネント信頼度が与えられている下でシステム信頼度を求める問題に関し、1-1)似た構造を有する部分ネットワークシステムを複数有するネットワークを想定し、再帰的な考えを基に計算アルゴリズムを提案し、数値実験を通じて、アルゴリズムの有効性を示した。また、昨年度と同様に1-2)システム規模が大きい場合への対処策である極限定理については、従来の条件より広い範囲で定理が成立することを証明した。そのことにより、近似解の精度の向上が望まれる。特に、1-1の考えは、動的なネットワークの信頼度算出でも有効であることが示唆される。また、2)システム信頼度が最大となるコンポーネント配置を求める最適配置問題について、2-1)Connected-(1,2)-or-(2,1)-out-of-(2,n):F System を対象に、厳密に最適配置を求めるときに有効な最適配置の必要条件を理論的に証明2-2)2次元のconsecutive k-systemを対象に、疑似最適な配置を求めるSAをベースとした方法を提案し、その有効性を提案した。また、3)consecutive-k-out-of-n: G systemを対象に、故障コンポーネント個数の分布を導出したが、この考えは、本システムの最適保全問題解法に留まらず、上記の仮想ノードを含んだネットワークの信頼度算出に有効と考えられる。4) 生産管理モデルである生産座席モデルや多期間サイクルモデルについても、上記考えを応用し生産ラインの最適化問題解法を提案した。そして上記の調査及び研究成果を論文7本、国際学会9件、国内学会9件にまとめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は、静的及び動的ネットワークシステムの統一的評価項目導出方法の提案を目的としている。2021年度では、評価項目として信頼度に注目し、仮想ノードと見なすことが比較的容易な一般ネットワーク型システムの信頼度算出方法を提案した。このことにより、静的な部分ネットワークの選択方法の検討及び対象ネットワークのグループ化の検討が可能となった。そして、上記検討と共に静的な仮想ノードの信頼度の検討を行い、その結果とconsecutive k-systemの信頼度計算の考えを用いて静的な対象ネットワークの信頼度方法の検討を行った。動的なネットワークシステムの効率的な信頼度算出のためには、上記で実施した静的ネットワークシステムの仮想ノード化と同様なことを時間軸と空間軸で行う必要があるが、空間軸での考察については上記のように進度は見られるが、時間軸上では不十分である。また、上記は信頼度に限っての考察であり、信頼度以外の状態分布、流量やコスト等の評価項目に対する考察についても不十分であり、総合的に考えて概ね順調とした。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度までの成果により、本研究のコアとなるconsecutive k-system について主に以下のことを明らかとした。コンポーネント信頼度が与えられている下でシステム信頼度を求める問題について、consecutive k-systemであれば、統一的に説明できる可能性があること、またシステム信頼度の近似値を与える極限定理が従来広い条件において成立すること、仮想ノードと見なすことが比較的容易な一般ネットワーク型システムの信頼度算出方法の提案を行い、静的な部分ネットワークの選択方法の検討及び対象ネットワークのグループ化の検討が可能となった。上記は、信頼度に限っての考察であること、また静的な性質の主の考察である。したがって、他の性能評価指標について再帰的考えやFMCIA(隠れマルコフ連鎖方法)の導入可能性を継続して検討するとともに、動的ネットワークシステムへの拡張の際に必要な時間軸上での仮想ノード化の検討について考察する。そして、上記検討と共に静的及び動的な仮想ノードの評価項目導出方法の検討を行い、その結果とconsecutive k-systemの信頼度計算の考えを用いて静的及び動的な対象NTSの評価項目導出方法の検討、そして静的及び動的な動的ネットワークシステムの評価項目導出方法の検討を行い、静的及び動的ネットワークシステムの統一的評価項目導出方法の提案を行う予定である。また、上記考えの下で生産管理問題や保全問題への適用可能性についても継続して考察する。
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Causes of Carryover |
コロナ渦により参加予定していた学会が中止及び研究補助者が研究室に来て十分に作業することができなくなったことが最大の理由である。2022年度も状況があまり変わらないことが考えられるが、学会についてはオンライン開催やハイブリッド開催の学会も増えてきているため、積極的な学会参加に努め、また状況に応じてではあるが、研究補助業務についてもリモート環境整備を進めて、研究を進めるように努める。
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