2020 Fiscal Year Research-status Report
数理最適化と機械学習に基づく高信頼・高効率な高密度自動運転車群制御システムの開発
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20K04965
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
榊原 一紀 富山県立大学, 工学部, 准教授 (30388110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大倉 裕貴 富山県立大学, 工学部, 助教 (20842777)
渡邉 真也 室蘭工業大学, 大学院工学研究科, 准教授 (30388136)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 自動運転車 / 群制御 / 数理計画 / メタヒューリスティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,自動運転車群が配備された大規模・高密度なスマートシティを対象とした自律制御と集中管理群制御が連携した安全かつ高効率な自動運転車群制御手法の確立となる.そのため本研究課題では具体的に次の3つの段階に分けて進めていく: (A)都市空間内における自動運転車の群制御を表現する数理計画モデルの開発 (B)(A)で得られた最適解を教師とする機械学習器の開発 (C)(B)で得られた学習結果を現実的かつ精緻に評価し,リファインするためのマルチエージェント・シミュレーション技法および教師なし学習技法の開発 この中で2020年度は主に(A)に焦点を当てて研究を進めた. 都市空間内における人の生活行動をODとして与えた上で,ODを実現する車両割当,経路および速度を数理計画として階層的に表現した.車両割当においては,OD発生場所・時刻を踏まえた決定が求められるのに対し,経路決定では主に渋滞やデッドロックの回避が求められる.さらに速度決定においては,道路上,交差点上での他車両との衝突の回避が求められる.このうち特に経路及び速度決定に対して,形式手法による検証により安全性を評価した.これらの決定に対しそれぞれ個別に制約条件・目的関数を記述した上で,それぞれの決定間の制約関係を記述していった.このとき,問題の分解構造を導入しながら求解可能なモデルを構築した.さらに数万人単位の人の動きを最適化対象とするために,数理計画モデルの一部の決定変数をメタヒューリスティクス(Meta-heuristics)により導出するハイブリッド解法を適用した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
客割当て,移動経路および加減速を表す混合整数計画モデルが線形不等式にて記述可能であることを示せたため,当初の計画を過不足なく達成できている.
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に従い,数理計画モデルの解法の定量的評価を進めていく.これが順調に進めることができれば,次のステップである企画画集モデルに対する教師データが生成できることになる.数理計画モデルの解法実現にあたっては,計算時間が課題として考えられるため,メタヒューリスティクスの適用方法およびチューニングが重要となる.今後はまずこの点について中心的に研究を進めていく.
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大のため,参加予定であった学会が全てオンラインに変わったため,旅費の執行に変更が生じた.次年度以降では,主に学会での成果発表に執行していくとともに,計算機評価をより充実するために経費執行を予定している.
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