2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of compositive conflict analysis methods based on coalition influence
Project/Area Number |
20K04968
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
喜多村 正仁 千葉工業大学, 社会システム科学部, 准教授 (70722990)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | コンフリクト分析 / コンフリクト解決のためのグラフモデル / コンフリクトの合成 / 提携影響力 / 協力ゲーム理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、現実社会におけるさまざまなコンフリクト状況をモデル化・分析する数理的手法である「コンフリクト解決のためのグラフモデル (GMCR) 」に、「提携影響力評価」の知見および複数のコンフリクトを統合的に扱う「合成」の概念を新たに組み込み、当該理論を発展させることである。 令和2年度には、当初の計画通り、提携影響力評価の知見をGMCRに組み込む研究に取り組んだ。具体的には、まず、提携影響力評価の枠組みの発展に取り組んだ。既存の2つの提携影響力評価手法を組み合わせて新たな提携影響力評価手法を構築した。また、上記の新たな手法の性質を調べた。その結果、新たな手法は、既存の2つの手法の長所を保持したまま、それぞれの短所を補う性質を持つことがわかった。これにより、新たな提携影響力評価手法を用いてコンフリクト分析を行えば、より多くの実例でより精緻な分析が可能になると考えられる。 続いて、GMCRの枠組みに上記の新たな手法を組み込む理論の構築に取り組んだ。簡単な数値例を用いて、GMCRにおける各意思決定主体の、均衡における利得をもとにシンプルゲームを構成する方策を検討した。今後、この構成が完了すれば、そのゲームに対し、前述の新たな手法を用いて提携影響力を計算する。閾値を設け、提携影響力がその閾値を上回る提携のみが形成されるとし、提携を限定した上でGMCRにおける提携分析を行う。これにより、幅広い現実のコンフリクトに対応する分析が可能になると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画では、令和2年度には、GMCRからシンプルゲームを構成し、提携影響力を計算した上で、閾値を設け、提携影響力がその閾値を上回る提携のみが形成されると仮定した提携分析を行う予定であった。しかし、シンプルゲームの構成の際に試行錯誤が必要で、この段階が完了しなかった。 一方で、既存の2つの提携影響力評価手法を組み合わせて新たな提携影響力評価手法を構築し、その性質を調べたことは、当初計画での想定より研究が進捗した点である。総合的には、当初の計画よりやや遅れた進捗であると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度には、引き続き、GMCRからシンプルゲームを構成する研究を行う。この構成が完了すれば、そのゲームに対し、前述の新たな手法を用いて提携影響力を計算する。閾値を設け、提携影響力がその閾値を上回る提携のみが形成されるとし、提携を限定した上でGMCRにおける提携分析を行う。また、グラフモデルの「合成」の概念の精緻化を行う。令和4年度には、グラフモデルの合成と提携影響力評価を組み合わせた理論を構築し、その中で状態の安定性がどういった性質を満たすかを調査する。また、実例分析のための国内外の事例集めも行う。令和5年度には、構築した理論を応用した実例分析を行う。 令和2年度に完了しなかった課題も含めて令和3年度に当初計画の進捗に戻すことは十分可能であるので、現時点で研究計画の変更は必要ないと判断する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、令和2年度には、在宅にて理論研究を行ったため、実例分析に用いる計算用パソコン等の購入を令和3年度以降に先送りしたためである。また、学会等がオンライン開催となったことにより旅費が発生しなかったためである。 次年度使用額の使用計画については、計算用パソコンを令和3年度または令和4年度に、理論研究関連図書を令和3年度に購入する予定である。
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