2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K04973
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
松井 泰子 東海大学, 理学部, 教授 (10264582)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 守正 東海大学, 理学部, 教授 (00188583)
桑田 孝泰 東海大学, 理学部, 教授 (70307677)
松本 哲志 東海大学, 理学部, 准教授 (30307235)
松井 知己 東京工業大学, 工学院, 教授 (30270888)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 列挙アルゴリズム / 組合せ最適化 / 整数計画問題 / グラフ理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は,横浜国立大学の小関健太氏と共に,トーラス上に埋め込まれたネットワーク上での連結部分グラフの列挙問題に対する列挙アルゴリズムの構築の可能性を探った.この列挙問題の応用には「トーラス上での避難経路の提案」が挙げられる.研究代表者らは,まず列挙に先立ち,トーラス上のグラフの面の特性を把握し,列挙アルゴリズム構築のためには複数の場合分けが必要であることを確認した.現在,場合分けの正当性を検証している最中である. また,研究代表者は,横浜市立大学の藤田慎也氏と共に, 頂点に重みの付いたグラフ上での,頂点重みをバランス化した安全集合の列挙問題も取り組んでいる.この列挙問題は,「収容人数を平均化した避難所配置の提案」に繋がる.これらの二つの列挙問題は災害に密接な関連があるため,来年度中には列挙アルゴリズムを構築し研究集会等で発表するべく研究を進めている. 研究分担者の土屋守正氏は, 大学院生の戸澤佑哉氏とPoset Graphに関する共同研究を進めながら,研究代表者とトーラス上でのグラフの特性について互いに勉強しながら議論した.研究分担者の桑田孝泰氏とは,離散幾何の観点からトーラス上のグラフの面の配置について観察し,知見を深める議論をした.研究分担者の松本哲志氏は, 大学院生の小柴春樹氏と画像解析の研究を進めると同時に,列挙アルゴリズムのコンピュータ上への実装準備を進めた.研究分担者の松井知己氏は,大学院生の田中雅人氏とグラフの頂点彩色に関する研究結果を出しつつ,独自に離散最適化の観点から防災に関連した組合せ最適化問題を調査し,その列挙問題の重要性を確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各人の研究はほぼ順調に進んでいる.本研究課題スタート直後の遠隔授業準備のため,予定よりも半年遅れとなっているが,本年度後半は,研究代表者を中心に,本研究テーマに対する知見を各自で共有した.コロナ禍で,同所属でも意見交換できる時間が限られているため,時期を見計らって集中的に共同研究を行い,研究成果のさらなる進展を目指す予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの進捗状況を踏まえつつ研究目的を鑑み,避難所配置問題や避難経路決定問題に対する列挙問題に対し,理論と実用の両方の側面から,各分担者による個別のアイデアに基づいて,列挙アルゴリズムの構築に取り組む. 研究代表者は既存の列挙アルゴリズムをベースに,理論計算機科学の観点から列挙問題の解空間の離散構造の理解に取り組み,列挙アルゴリズム構築のためのアイデアを創出する. 研究分担者達は,個別の分野で培ってきた知見を他分野にも共有することに努め,新型コロナウィルスの影響による社会的状況を考慮しつつ議論を進める.
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Causes of Carryover |
コロナ禍で,参加予定の出張が全てキャンセル,もしくは遠隔開催となったため.
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Research Products
(11 results)