2020 Fiscal Year Research-status Report
Study on Project Local Optimization Prevention Method Using AI (Learning) Agents and Simulator
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20K04974
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
岡田 公治 東京都市大学, 環境学部, 准教授 (40757126)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 構成的アプローチ / プロジェクトマネジメント / プログラムマネジメント / シミュレーション / 強化学習 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
高度な情報通信技術(ICT)を活用した社会イノベーション(Society 5.0,DX: Digital Transformation)が期待されている.イノベーションを成功に導くにはプロジェクトマネジメント(以降PMと記)が重要であるが,ICT プロジェクト(以降PJと記)の成功率は50%にも満たない.PM研究へのAI (機械学習) 技術の導入は,従来のPM研究とは異なる切り口で新たな知見が導出される可能性がある.本研究課題では,PM行動がPJスケジュール・コスト等へ及ぼす影響を導出可能なPJ挙動シミュレータと与えられたPJ評価基準の下で準最適なPM行動を学習するAI(機械学習)エージェントを仮想実験環境として構築し,これらを用いてPJとその環境に内在する局所最適化構造の導出とその解決策としてPJ局所最適化抑制法の確立を試みる. 2020年度(初年度)は,仮想実験環境を構成する汎用PJ挙動シミュレータとPJマネジャーエージェントの開発に取組んできた.汎用PJ挙動シミュレータに関しては,従来型のウォータフォール型開発プロセスだけでなく,近年主流になりつつあるアジャイル開発プロセス及びそれらのハイブリッド型開発プロセスにも対応したシミュレーションコアモジュールを開発した. 一方,仮想実験環境の構築を進める中で,当初計画では2021年度(2年目)に開発予定であった「プロジェクトの置かれたビジネス環境のシミュレータ(以降ビジネス環境シミュレータと記)」の重要性を再認識するに至り,仮想実験環境の全体アーキテクチャの見直しとビジネス環境シミュレータの検討を並行して進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度(初年度)は,汎用PJ挙動シミュレータとPJマネジャーエージェントの開発に取組んできた.汎用PJ挙動シミュレータに関しては,従来型のウォータフォール型開発プロセスだけでなく,近年主流になりつつあるアジャイル開発プロセス及びそれらのハイブリッド型開発プロセスにも対応したシミュレーションコアモジュールを開発し,その成果を発表できた. 一方,仮想実験環境の構築を進める中で,当初計画では2021年度(2年目)に開発予定であったビジネス環境シミュレータの重要性を再認識するに至り,仮想実験環境の全体アーキテクチャの見直しとビジネス環境シミュレータの検討を並行して進めている.このような経緯から,当初計画では2020年度に実施し完了させる予定であったPJマネジャーエージェントの開発は現在も継続中である.一方,2021年度に実施予定のビジネス環境シミュレータに関する詳細検討は前倒しで進行できている.従って,計画と順序が異なる点はあるが,おおむね順調に進展していると評価できる. また,2020年度に研究発表を計画していた国際会議がコロナ禍により会議自体が中止(2021年度も既に中止決定済み)となり,本研究課題の発表に適した国際会議を模索している.
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度(初年度)に仮想実験環境の構築を進める中で,当初計画では2021年度(2年目)に開発予定であったビジネス環境シミュレータの重要性を再認識するに至り,仮想実験環境の全体アーキテクチャの見直しを進めてきた.その過程で,ビジネス環境シミュレータに関しては,当初想定以上に多様なビジネスモデルに対応する必要性が改めて認識されるに至った.そこで,仮想実験環境として汎用的なシミュレータを開発するのではなく,個別事例に対応して容易にビジネス環境シミュレータを構築できる仕組みを整備する方針へと転換を図りたく,学会等の場を通じ有識者のフィードバックを得ながら推進を図る.それ以外の部分に関しては,当初計画に従い推進していく.
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Causes of Carryover |
物品費に関しては,当初予定では仮想実験環境の構築に当り市販のシステムダイナミクスシミュレータを購入しそれを活用して実装を進める計画であったが,仮想実験環境の全体アーキテクチャの見直しを行う中で,システムダイナミクス技術に立脚することの妥当性も含め再考を行ったため,2020年度は購入を見送ることとした.現時点では,全体アーキテクチャが概ね固まり,ビジネス環境シミュレータ部分の実装に関しては市販のシステムダイナミクスシミュレータを活用した実装が妥当であると判断している.従って,2021年度以降には,当初計画通りに挽回できる見込みである. 旅費に関して,研究発表を予定していた国際会議が中止となったため発生していない.コロナ禍の終息が期待される2021年度以降に,国際的な場での研究成果発表をより積極的に行う予定である.
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