2021 Fiscal Year Research-status Report
Study on Project Local Optimization Prevention Method Using AI (Learning) Agents and Simulator
Project/Area Number |
20K04974
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
岡田 公治 東京都市大学, 環境学部, 教授 (40757126)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 構成的アプローチ / プロジェクトマネジメント / プログラムマネジメント / シミュレーション / 強化学習 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
高度な情報通信技術(ICT)を活用した社会イノベーション(Society 5.0,DX: Digital Transformation)が期待されている.イノベーションを成功に導くにはプロジェクトマネジメント(以降PMと記)が重要であるが,その成功率は50%にも満たない.PM研究へのAI(機械学習)技術の導入は,従来のPM研究とは異なる切り口で新たな知見が導出される可能性がある.本研究課題では,PM行動がプロジェクト(以降PJと記)スケジュール・コスト等へ及ぼす影響を導出可能なPJ挙動シミュレータと与えられたPJ評価基準の下で準最適なPM行動を学習するAI(機械学習)エージェントを仮想実験環境として構築し,これらを用いてPJとその環境に内在する局所最適化構造の導出とその解決策としてPJ局所最適化抑制法の確立を試みる. 従来型のウォータフォール型開発プロセスだけでなく,近年主流になりつつあるアジャイル開発プロセス及びそれらのハイブリッド型開発プロセスにも対応したシミュレーションコアモジュールを開発に続き,2021年度は,仮想実験環境の全体アーキテクチャの見直し(学会発表済み)を行い,ビジネス環境シミュレータの検討とPJマネジャーエージェントの構築を並行して進めた.ビジネス環境シミュレータ構築に向けた検討に関しては,多様なビジネスモデルに対応する必要性が改めて認識され,仮想実験環境として汎用的なシミュレータを開発するのではなく,個別事例に対応して容易にビジネス環境シミュレータを構築できる仕組みを整備する方向に方針を転換した.ビジネス環境シミュレータの構築に「シミュレーション可能なビジネスモデル記述フレームワーク」を活用(学会発表済み,査読付学術雑誌採録済み)する方式とした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年度(初年度)は,汎用PJ挙動シミュレータとPJマネジャーエージェントの開発に取組み,汎用PJ挙動シミュレータに関しては,従来型のウォータフォール型開発プロセスだけでなく,近年主流になりつつあるアジャイル開発プロセス及びそれらのハイブリッド型開発プロセスにも対応したシミュレーションコアモジュールを開発した(学会発表済み). 一方,仮想実験環境の構築を進める中で,当初計画では2021年度(2年目)に開発予定であったビジネス環境シミュレータの重要性を再認識するに至った. 2021年度は,仮想実験環境の全体アーキテクチャの見直し(学会発表済み)を行い,ビジネス環境シミュレータの検討とPJマネジャーエージェントの構築を並行して進めた.ビジネス環境シミュレータ構築に向けた検討に関しては,当初の想定以上に多様なビジネスモデルに対応する必要性が改めて認識されるに至った.そこで,仮想実験環境として汎用的なシミュレータを開発するのではなく,個別事例に対応して容易にビジネス環境シミュレータを構築できる仕組みを整備する方向に方針を転換した.ビジネス環境シミュレータの構築に「シミュレーション可能なビジネスモデル記述フレームワーク」を活用(学会発表済み,査読付学術雑誌採録済み)する方式とし,仮想実験環境の全体アーキテクチャが洗練され,多様なビジネスモデルに対応して個別にビジネス環境シミュレータを構築するための仕組み,手法が整理されたことは,当初の想定を超える進展である.一方で,PJマネジャーエージェントの開発に関しては,実験に長い計算時間を要し,良好な結果が安定して得られる状態まで完成度を高められておらず,やや遅延している状況である.
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度,研究を進める上で,仮想実験環境の全体アーキテクチャが洗練され,多様なビジネスモデルに対応して個別にビジネス環境シミュレータを構築するための仕組み,手法が整理されたことは,当初の想定を超える進展であった.一方で,PJマネジャーエージェントの開発に関しては,実験に長い計算時間を要する上,良好な結果が安定して得られる状態まで完成度を高められておらず,やや遅延している状況である.シミュレーション実験用の計算機環境を強化することで加速を図りたい考えである.また,学習アルゴリズムの見直し,PJ挙動シミュレータ部分の見直しも含めて,可能性を探っていく.
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Causes of Carryover |
物品費に関しては,当初予定では仮想実験環境の構築に当り市販のシステムダイナミクスシミュレータを購入しそれを活用して実装を進める計画であったが,仮想実験環境の全体アーキテクチャの見直しを行う中で,システムダイナミクス技術に立脚することの妥当性も含め再考を行ったため,購入を見送ってきた.現時点では,全体アーキテクチャが固まり,ビジネス環境シミュレータ部分の実装に関しては市販のシステムダイナミクスシミュレータを活用した実装が妥当であると判断している.2022年度初めに購入を進める予定である.また,PJマネジャーエージェントの開発に関しては,シミュレーション実験用の計算機環境を強化し,挽回を図りたい. 旅費に関して,研究発表を予定していた国際会議が,2020年度,2021年度と中止となったため,費用が発生していない.コロナ禍の終息が期待される2022年度は,国際的な場での研究成果発表をより積極的に行う考えである.
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