2022 Fiscal Year Annual Research Report
Modeling and Algorithms for Discrete Problems
Project/Area Number |
20K04978
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
原口 和也 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (80453356)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 列挙アルゴリズム / 列挙問題 / 離散アルゴリズム / データマイニング / バイオインフォマティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
離散問題(離散最適化問題、離散決定問題、離散列挙問題など)はオペレーションズ・リサーチやデータサイエンスにおいてきわめて重要な応用を持つ。本研究は離散問題に関する以下の問いに対する答えを、事例研究を通じて模索するものである。(a) 離散問題をどのように部分問題に分解して解けばよいのか。(b) 部分問題を解くためのアルゴリズムをどのように統合して、元の問題を解くのに用いればよいのか。(c) ある問題について効果的なアプローチを、ほかの関連問題をどのように適用すればよいのか。(d) 一連のアルゴリズムをどのように実装すればよいのか。 2022年度はこれまで続けてきた離散列挙問題に関する研究を推し進め、下記の成果を得た。(1) 要素の集合とその部分集合族から成る対を集合システムという。構造を仮定しない一般の集合システムにおける閉包成分列挙問題を考え、集合システムが適当なオラクルによって暗に与えられるという仮定の下、入力サイズおよびオラクル計算時間に関する多項式遅延アルゴリズムを提案した。この成果はStrongly-accessible system に対する Boley et al. (2010) の結果や Accessible system に対する Arimura and Uno (2009) の結果の拡張であり、多項式遅延列挙が可能な集合システムの範囲を、ある文脈の下で拡張することに成功した。(2) 無向グラフ上の2点連結誘導部分グラフおよび2辺連結誘導部分グラフ、および有向グラフ上の強連結誘導部分グラフを、SD system という新しい集合システム上の列挙問題として捉えることで、多項式遅延列挙可能なことを示した。2辺連結誘導部分グラフの列挙に関する成果は Ito et al. (2022) の提案したアルゴリズムの時間量を改善するものである。
|