2023 Fiscal Year Research-status Report
高速マルチエージェントシステムの開発と不完全情報下での大規模社会シミュレーション
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20K04981
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
松井 猛 県立広島大学, 地域創生学部, 准教授 (50512505)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | マルチエージェントシステム / 社会シミュレーション / ロジスティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題ではエージェントを用いる社会シミュレーションの環境を構築し,社会・組織・個人をエージェントとして捉え,それらの相互共創・競合・協調を通して,ボトムアップにシステムを構成する過程と構造の性質とを精査することを目的とし,今年度は経済・産業界の現実問題の中から,物流・ロジスティクスにおける意思決定モデルを取り上げ,開発した方法論の応用を試みた. 今日の物流業界では情報通信技術が急速に普及したことによって,倉庫内や荷物の配送時における作業自体の自動化・機械化が進んでいるとともに,ネットショッピングの需要の高まりも相まって,取り扱う商品の数は著しく増加してきている.そのため,倉庫内において後々の作業となる商品の入荷・検品,荷物の保管や管理,そしてピッキングなどといった作業を考慮した倉庫への荷物の割り振りは事前に考えておかなければならないため,荷物の仕分けおよび管理においてスケジュールの効率化を実現することはますます重要なこととなっている. そこで,日々の物流倉庫における荷物の仕分けおよび管理のスケジュールに関して,運び込まれた荷物に関しピッキング作業を考慮しつつ割り振るモデルを構築することにより,現実的な時間内でのスケジュールの導出法を検証した. 今後の研究の課題としては,実際の物流業界の企業における大規模データに対して提案モデルによるスケジュールの導出を行い,有用性を検証することなどが挙げられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
物流・ロジスティクスにおける意思決定モデルを取り上げ,開発した方法論の応用を試みることにより,現実的な時間内でのスケジュールの導出法を検証した. しかし,各種学会への参加,情報収集などを行うための調査や連携研究者との打ち合わせが十分に行うことが難しい状況であり,システムの有用性の検証が遅れているため,計画よりやや遅れていると評価する.
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Strategy for Future Research Activity |
経済・産業界の現実問題に対し,マルチエージェントシステムとしてモデル化するとともに,開発した方法論の応用を試みるとともに,実用的な不完全情報下での社会シミュレーションモデル構築を目指して,システムの開発・実装を行う予定である. また,得られた研究成果について国際会議での発表や学術雑誌への投稿を行う.
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Causes of Carryover |
研究会および国際会議参加,連携研究者との研究打ち合わせが十分に行うことが難しい状況となったため,旅費等の使用が予定よりも低額となり次年度使用額が生じた.次年度使用額については,情報収集,国際会議の参加費および論文投稿料等に使用することを計画している.
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