2023 Fiscal Year Annual Research Report
Theoretical Extension and Application of Focus Theory of Choice
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20K04982
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
郭 昌俊 (郭沛俊) 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (60325313)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 焦点決定理論 / 2レベル計画問題 / 生産計画問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
焦点決定理論に基づいた焦点計画法を提案した。焦点計画法は、期待効用理論に基づく2段階確率計画法や確率制約条件計画法などの既存のアプローチとは異なり、どの解の焦点(確率ベクトルの最も顕著な実現)が最も好ましいかによって最適解が決定される。焦点計画法は上位レベル最適化問題と下位レベル最適化問題からなり、下位レベル最適化問題では、制約条件を満たす実行可能解ごとに確率変数の全ての実現値から、この実行可能解の焦点事象(最も注目すべき実現値)を選べる。上位レベル最適問題では、下位レベル最適問題で求められた各実行可能解の焦点事象に基づき、最適解を求めることができる。焦点計画法モデルは、最適解を見つけるだけではなく、なぜこれが最適解かという説明も最適解の焦点によって示される。 焦点計画法モデルは特別な2 レベル数理計画問題(BLPP)で、上位レベルと下位レベル最適化問題は非平滑、場合によって非凸である。既存の制約付き最適化問題は通常に凸関数あるいは平滑関数で表されるので、既存の最適化アプローチが適用できない。本研究はポジティブ評価システムの下で、焦点計画モデルを、消失制約付き最適化問題(mathematical programs with vanishing constraints、MPVC)という単一レベルの最適化問題に変換することができる。これは、特定の条件下で BLPP と MPVC の等価関係を示した初めての論文である。更に、確率ベクトルを離散化したうえで、ポジティブ評価システムおよびネガティブ評価システムの下で焦点計画モデルを平衡制約付き数理計画法 (MPEC) に変換することができる。 提案したアプローチを用いて、ライフサイクルの短い革新的な製品に関する生産計画問題へ適応し、既存のアプローチと比較することにより新たな経営洞察が得られ、焦点計画法の有効性が確認された。
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