2021 Fiscal Year Research-status Report
The Effect of firm's profit maximizing behavior on product loss
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20K04987
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
増田 靖 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (10286643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 英明 筑波大学, システム情報系(名誉教授), 名誉教授 (30260467)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 経営科学 / 商品ロス / 戦略的顧客 / 価格戦略 / 調達戦略 / ネットワーク均衡 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の主題である「企業の利益と商品廃棄量の問題」に関しては、2021年度前半に詳細な計算実験を行った。その結果を2021年の夏のIFORS Conference (Seoul, Korea)で発表した。一方、本課題研究の関連研究の一つである「遅れを伴うサービスシステムの解析」では、研究のポジショニングを明確にするために論文を改訂した。さらに、派生研究として「飲食業における配送サービスの影響」に関する研究に取り掛かっている。以下、これら3つの研究の進行状況の説明をする。 本研究の主題研究「企業の利益と商品廃棄量の問題」は、商品廃棄量と企業の調達・価格戦略に関する理論研究であるが、計算実験は限定的にしか実施されていなかった。今回より詳細にさまざまなパラメータに関して計算実験を行ったところ、必ずしも直観的とはいえない結果を得ている。常識的には、商品需要の変動が大きい場合には、結果として商品廃棄量の期待値は大きくなると想定される。しかし、顧客が戦略的な行動をとる場合には、顧客の購買行動と企業の調達・価格戦略は複雑に相互依存する。その結果、商品需要の変動性と商品廃棄量の期待値の関係には、当初に想定されていたような単調性が見られないことが解った。単調性が壊れる具体的な理由についての検討も進んだ。 関連研究の「遅れを伴うサービスシステムの解析」は、リンク制約つきの交通流均衡問題に関する研究であり、2020年度の段階で理論解析はかなり進んでいた。2021年度後半に、研究の趣旨をより明確にするために、論文全体を改訂した。 新しい派生研究「飲食業における配送サービスの影響」は、コロナ禍の影響で増えているフードデリバリーサービスを考えている。この新しい環境でいかにレストランが自社の利益を増やすことができるかをゲーム論的に調べている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
主題研究「企業の利益と商品廃棄量の問題」と関連研究の「遅れを伴うサービスシステムの解析」において論文が採択に至っていない。当初想定していた状況と比較すると進行状況はやや遅れている。新規の派生研究は、まだ初期段階にある。
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Strategy for Future Research Activity |
主題研究「企業の利益と商品廃棄量の問題」については、論文採択に向けて研究をまとめる。関連研究「遅れを伴うサービスシステムの解析」は、現在査読中となっている。また新しい派生研究「飲食業における配送サービスの影響」の初期段階の研究については、2022年度に学会発表の予定であるであり、さらに理論的・数値的解析を進める。
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Causes of Carryover |
(理由)出席予定であった国際会議がコロナ感染症まん延のためにオンライン開催となり旅費の支出がなかった。 (使用計画)2022年度には、計算実験のために新たにソフトウェアが必要になる。また、l国際学会、国内学会に参加予定である。学会参加費・旅費・物品費(ソフトウェア購入)に助成金を使用する。
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Research Products
(1 results)