2020 Fiscal Year Research-status Report
直流バイアス矩形波磁界を使用した熱交換器伝熱強磁性体鋼管の欠陥検査法の提案
Project/Area Number |
20K05007
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
後藤 雄治 大分大学, 理工学部, 教授 (00373184)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 熱交換器 / 伝熱鋼管 / ヒステリシス磁化曲線 / マイナーループ磁化特性 / 渦電流 / 直流バイアス矩形波 |
Outline of Annual Research Achievements |
火力発電所や石油精製所内の熱交換器鋼管はSTB340鋼管材が多く使用されているため、本年度は石油化学プラントの熱交換機内で実際に使用されていた伝熱鋼管(STB340SC)を放電加工で切り出して、磁化曲線と導電率の測定を行った。また、本提案電磁気検査プローブを鋼管内に挿入させ、直流バイアス矩形波交流磁界を鋼管内面より印加させた場合の、磁束密度や渦電流分布の解析が行える3次元有限要素法の電磁界解析の開発を行った。本提案検査手法の検査原理の解明には、鋼管内のマイナーループ磁気特性と渦電流を考慮した電磁界解析が必要となる。そこでここではマイナーループ磁化特性を考慮する電磁界解析としてプレイモデルを適用した非線形渦電流解析プログラムの開発を行い、実際に測定した鋼管のヒステリシス磁化曲線と導電率等の電磁気特性データを入力して、より現実的な電磁界解析を実施した。この電磁界解析により、本手法によって鋼管の外面欠陥が何故探傷できるかについての現象が明らかとなった。この結果、本手法では鋼管内部に挿入する電磁気センサのヨーク材の磁気特性が高い方がより探傷精度が高くなる事が分かった。そこで、飽和磁束密度の高い材料としてパーメンダー材をヨーク材に使用した電磁気センサの検討を行う事とした。パーメンダー材の非線形磁化曲線と導電率も測定を行い、これらの電磁気特性を考慮した電磁界解析を行う事で、解析上ではあるが、探傷感度が増加することが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初より本年度で目標としていた、試験鋼管や電磁気センサ内に設置するヨーク材(パーメンダー材)の非線形磁化特性の測定や導電率の測定は計画通り測定が行え、また、直流バイアス矩形波交流磁界を鋼管内に印加した際のマイナーループ磁化特性を考慮できる3次元有限要素法の電磁界解析プログラムの開発も順調通り行え、それによる電磁界解析も行えた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度で開発が行えた電磁界解析プログラムを使用して、本研究で提案を行っている電磁気センサの適切な形状や磁化条件等について、さらに詳細に検討を行う。また実際の熱交換器鋼管で生じる欠陥形状を模擬した試験片による検証実験を進める。
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