2022 Fiscal Year Annual Research Report
直流バイアス矩形波磁界を使用した熱交換器伝熱強磁性体鋼管の欠陥検査法の提案
Project/Area Number |
20K05007
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
後藤 雄治 大分大学, 理工学部, 教授 (00373184)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 強磁性体鋼管 / 外面欠陥 / 直流バイアス矩形波 / マイナーループ磁気特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は人工欠陥による検証実験を繰り返し、前年度から検討を続けてきた検査に最適な探傷条件(励磁周波数や励磁電流値)を使用して、実際のプラントで数十年使用された自然欠陥が生じている本物の熱交換器鋼管を使用して実証実験を行った。実証実験で使用した熱交換器鋼管は、外径Φ19㎜で肉厚2mmの強磁性体鋼管(STB340-SC鋼管)を使用した。励磁条件は、周波数が500Hzで、直流バイアス値(直流電流値)が0.8A、矩形波交流電流値の振幅値が0.2Aを使用した。また実証実験の際は、探傷速度は1000㎜/秒の高速移動での探傷を行った。その結果、幅がΦ2mm程度で鋼管の肉厚に対して20%程度の深さを有する実際の孔食外面欠陥に関しても探傷が行える事が確認できた。また同時に、同程度サイズの欠陥が鋼管の内側に存在する場合にも本探傷法が適用出来る事も確認できた。これらの結果から、この程度の探傷感度を有すれば、実際の現場での探傷器として使用できると考えられる。一方、直流バイアス電流の有無による探傷精度の比較を行った。その結果、直流バイアスが無い場合は、外面欠陥は全く検出する事が出来ないことを確認した。これは、直流磁界が鋼管の外面まで浸透することで外面欠陥が検知できる本手法の検出原理を裏付ける結果といえる。また、励磁周波数が5kHz程度まで可変が行え、励磁電流値も直流バイアス値と交流励磁電流値の合計電流値が1.0A程度までの範囲内で変更が行える実用的な直流バイアス矩形波交流電流を発生する電源システムの開発も行えた。
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