2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of Driver Monitoring Using Eye-Hand Coordination
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20K05015
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
山中 仁寛 甲南大学, 知能情報学部, 准教授 (00404939)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 人間信頼性 / ヒューマンインタフェース |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,前年度に構築した実験環境の妥当性検証を行い,本研究の遂行に問題ないことを確認した. 次に,構築した実験システムにおいて,MWL(情報処理負荷量)をコントロールした実験を行い,ドライバーのMWL推定手法を開発するための仮想運転実験を実施した.ドライビングシミュレータで仮想運転中の被験者に対する走行条件としては,ドライバーの情報処理負荷量をコントロールするために危険の無い市街地コースとし制限速度を遵守した走行を行いながら前方スクリーンに提示される視覚刺激へ反応する主課題に加えて,副次課題として数的タスクを被験者に課す.数的タスクとは,約3秒間隔で音声ソフトにより読み上げられる一桁の数値を復唱するだけの“読み上げ”と連続する一桁の数値を足し合わせた解の一桁目のみ回答する“加算”,それに数的課題を行わない“なし”の3条件とした.また,数的タスクが被験者にとって情報処理負荷となっているかの確認は,心電図計測とNASA-TLXにより客観的,主観的の両面から評価を行い確認を行った. これらの実験を通じて,より客観的な生体反応の計測と解析が必要であると考え,脳波計測システムを購入し,追実験を計画中である. なお,研究成果は投稿論文として現在査読を受けている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特に問題なし.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,今年度の実験で得られた結果からドライバーのMWL推定を簡便に行える手法の提案と有効性の検証を行う.具体的には,仮想運転中のすべての視点移動量を昇順に並べ,連続する複数個の移動量平均と移動量平均を求めた複数個の視点移動の中で頭部が先行した確率,すなわち頭部先行確率の関係によりMWLを推定する手法を提案する. この考え方は,視対象が人の有効視野の外側に位置している場合には,頭部運動が先行する.つまり,内的状態が低下して人の視野が狭くなると,頭部運動が先行すると考え,先述の頭部運動先行率が所定値のときの視線移動量を評価することにより,MWLを表す視野を検出することが可能になると考えている. 現状では,視野が見えるか,見えないかの境界とするならば,頭部先行確率50%における視点移動量の平均が視野のサイズに相当し,ドライバーのMWL評価のパラメータになると考えている.
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Causes of Carryover |
残額は、国際会議への投稿時に実施する英文校正の予定であったが、今年度にまとめ切ることができなかった。 次年度は、当初の計画に加えて学会発表を積極的に行う予定にしている。
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