2021 Fiscal Year Research-status Report
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20K05018
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Research Institution | The Ohara Memorial Institute for Science of Labour |
Principal Investigator |
石井 賢治 公益財団法人大原記念労働科学研究所, 研究部, 研究員 (70422079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 明宏 一関工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (60500428)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 歩容分析 / 熱中症 / 日常生活活動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、特に産業現場において熱中症死傷者の減少あるいは熱中症予防という課題を解決するために、歩容分析を用いて作業者本人や管理者へ客観的な身体の変調のサインを、かつ予防的な行動を促すような形で提示することをめざし、日常および作業中の歩容分析と特徴量の解明、身体の変調を早期に検出するアルゴリズムの開発と検証、作業現場調査に基づく熱中症客観指標の提示手法の開発を行うことである。 COVID-19の影響により、引き続いて外出の自粛を要請されている社会情勢であることを鑑みて、2021年度も日常の歩容・歩行率調査については予備的検討を継続して実施し、歩調、加速度・角速度振幅等の歩行特徴量を得た。室内に模擬的暑熱環境を構築した上で、脱水時歩容測定試験を実施し、測定環境や試験終了条件の検討を行った。腰部および足部にセンサを装着し、暑熱環境下の歩行により経時的に変化をする歩行特徴量を確認した。また、人工気象室内で試験を行う場合の、環境や歩行条件について検討した。産業現場でのヒアリング調査を実施することも難しい情勢であることから、熱中症予防や産業現場の見守りに利活用可能なウェアラブル機器、センシング手法の調査を行い、既存手法の歩容ならびに生理指標、環境指標の計測アルゴリズムや特徴、指標の提示方法や、スマートフォン・タブレット端末等デバイスの利用についての基礎資料を得た。また、現在上市されているシステムに付加可能な新技術について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
COVID-19の影響、および伴う政府の要請等により、ヒトの日常行動の変化が継続して生じている。日常の歩容を計測することを前提とした本研究でも、行動の変化の影響を大きく受けている。特に外出の自粛と、反動的な開放感が渾然とした情勢下で調査を進めることは、条件の統制を行う上では好ましくない。そこで2021年度も、日常の歩容・歩行率調査は予備的検討に留めている。 また、閉鎖空間となる人工気象室の利用ならびに、作業現場での実態調査についても、対面を回避する社会情勢が続いているため、施設利用や業務上のルールを優先している結果、試験・調査の進捗は遅れていることから、少人数での試験実施、オンライン調査などを平行して行うことを検討した。
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Strategy for Future Research Activity |
日常の歩容計測については、徐々に社会情勢が落ち着き、規制が緩和されてきていることを考慮して、年度の早い段階から実施を検討する。暑熱環境下の歩容測定は、室内における暑熱環境下歩容測定を継続すると共に、人工気象室内での歩容測定の条件検討を進める。年度後半には、得られたデータを基に、体調の変調を検出する歩容計測のアルゴリズムを試作する。作業現場での実態調査は、協力を得られる組織を探しながら、年度の後半で実施する。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により、日常歩容計測の遅れによる実験被験者への謝金や、産業現場での調査の遅れによる調査旅費が支出できていない。これらは2022年度の試験・調査実施時に利用する。
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