2022 Fiscal Year Research-status Report
ストームに相対的なヘリシティを用いた竜巻等突風予測の高精度化に関する研究
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20K05033
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
山根 悠介 常葉大学, 教育学部, 准教授 (10467433)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 竜巻 / 予測 / ストームに相対的なヘリシティー / シビアローカルストーム / 日本 / バングラデシュ |
Outline of Annual Research Achievements |
気象庁のドップラーレーダーデータを可視化するためのデータ形式(気象分野でよく使われる可視化ソフトの一つであるGrADSで利用可能なデータ形式)に変換するプログラムを入手し,これを用いて日本における竜巻事例の幾つかについて,竜巻に伴う対流システムを捉えたエコー画像を作成した。また,2022年8月にバングラデシュに渡航し,現地気象局の予報担当官から情報収集を行い,現地でのレーダー観測の現状について確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響により,気象庁のレーダーデータの入手(気象業務支援センターから購入)が大きく遅れ,その影響で多く竜巻等突風事例におけるドップラーレーダーの可視化の作業が遅れている。現在鋭意可視化の作業と解析を継続しているところである。2022年度になりようやく海外渡航が可能となってきた。このような状況の改善により2022年8月にバングラデシュに渡航することがようやく可能となった。この際に現地のレーダー観測の状況,レーダーデータの入手状況を2022年度になってようやく把握することができるようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,気象庁ホームページに公開されている竜巻等突風データベースに掲載されている過去の竜巻等突風事例一つ一つについて,気象庁ドップラーレーダーの可視化を行い,竜巻等の突風をもたらした対流システムの移動速度を確認していく。これにより,一つ一つの事例についてSRH(ストームに相対的なヘリシティー)を算出し,これらの結果を統合してより最適なSRHを算出する統計式を提示する。バングラデシュに渡航し,最新のレーダーデータを入手し,日本で確立した手法によりバングラデシュで適用可能なSRHを算出する統計式を提示する。
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Causes of Carryover |
研究開始年度から2022年度までに海外渡航のための旅費予算がコロナ禍の影響で執行することができず,この予算額が次年度使用額として生じてきた。2023年度に現地に渡航し,レーダーデータの入手や現地気象局との研究打ち合わせ(主に,提示するSRH算出の統計式の有用性確認のため)を行う。このための旅費として使用する。
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