2022 Fiscal Year Annual Research Report
激甚化する水害に対応する道路舗装空間を利用した小規模分散型治水施設の開発
Project/Area Number |
20K05048
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
中島 伸一郎 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (70346089)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 舗装 / 豪雨 / 排水 / 貯留浸透舗装 / 治水機能 / 力学耐久性 |
Outline of Annual Research Achievements |
豪雨災害や河川氾濫を防ぐためには,雨水をその場に一時貯留・浸透する小規模分散型の治水対策が不可欠である.本研究は,治水機能を有する新しい舗装構造である側面流入型の貯留浸透舗装を提案するものである.この舗装は豪雨ピーク時にのみ舗装内に雨水を取り込むという選択的な雨水流入を可能としており,確実な水害対策として期待される.本研究では,水理模型実験により提案する舗装構造の治水性能を明らかにするとともに,雨水流入頻度と舗装の力学的耐久性との関係を力学模型実験により検証した. 提案構造の側方流入特性を明らかにするため,ガラスビーズを用いた水理模型実験装置を作成し,R4年度は一定流量条件および一定水位条件で流入実験を実施した.実験の結果,路盤への側方流入の速度は,側溝と路盤との水位差および開口面積に依存することを確認した. また,近年の気候変動の影響により,降雨強度や降雨パターン自体の変化も見込まれることから,最新までの降雨資料を用いて確率降雨強度を算定し経年的推移を検討した.その結果,3年確率10分間降雨強度には明瞭な非定常性が認められなかった.一方,30年確率60分間降雨は,十数年前に比べて20%以上増加する地点が複数認められ,降雨の非定常性が示唆された. 路盤が浸水した状態での舗装の力学耐久性を調べるため,小型舗装模型による輪荷重載荷試験を開発し,主にポンピング現象による路盤浸食プロセスに焦点を当てた検討を実施した.蛍光染色した路盤粒子をブラックライトを当てて動画撮影することで,輪荷重による路盤材の継続的な噴出と路盤表面の浸食を可視化することを可能にした. これらの検討を通じて,提案する貯留浸透舗装の最適な構造設計規範の確立と実用化のための基礎資料を得たといえる.
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Research Products
(7 results)