2022 Fiscal Year Annual Research Report
A Study on monitoring of seismic EM waves focusing on a low-frequency range below 10 Hz
Project/Area Number |
20K05053
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
河合 淳 金沢工業大学, 先端電子技術応用研究所, 教授 (10468978)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | SQUID磁力計 / 地震 / 電磁波 / 磁気 / ピエゾ効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的は、超伝導量子干渉素子(SQUID)磁力計を2か所に設置し,100Hz以下の超低周波領域での微小磁気変化の比較観測を通して地震電磁気現象のモニタリングの可能性を検証することである。2020ー2021年度は、能登半島(輪島市門前皆月:MNZ)と白山麓(白山市白峰西山 :NSY)の2カ所で観測を行っていたが、2021年度の後半から能登半島の珠洲市付近での地震活動が活発となってきた。そこで2022年度は、それまでNSYに設置していたSQUID磁力計を珠洲市の震源近傍に設置し、MNZの観測結果と比較することにした。珠洲市の観測場所(SUZ)は珠洲市唐笠町で、群発地震の主な4つの震源領域で囲まれた場所である。SUZとMNZの同時観測期間は4/24から10/22までであった。観測期間内に合計8回のM4以上の地震が発生し、6月19日には最大震度6弱(M5.4)の強い地震によって珠洲市を中心に大きな被害をもたらした。この地震前後のMNZとSUZのデータを詳細に解析し、当該地震に関連する電磁波信号の有無を検証した。当該地震発生の直前における信号には微小な地震振動と思われる信号やShcumann共鳴などの大気放電による信号が多く検出されている。一方、地震発生時刻の約30ー40秒前にSUZとMNZの両者で振動やShcumann共鳴などとは異なると思われる周期0.1秒程度、振幅10ー20pTpp程度の同時信号が認められた。この信号を地震の前駆現象と判断することは現時点では難しい。他方、SUZにおいては地震発生からP波到着までの間、直流成分に数10pTの変化が生じており、いわゆる断層破壊時におけるピエゾ効果を検出しているかもしれない。これらの結果から、SQUIDによる電磁波観測が地震に関連する電磁信号の検出に期待が持てることが確認できた。
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