2021 Fiscal Year Research-status Report
希土類オキシフッ化物における相転移の起源解明と抑制
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20K05077
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田村 真治 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (80379122)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | フッ化物イオン / 固体電解質 / 希土類 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、結晶相およびイオン伝導性が未解明であるが、次世代二次電池材料として期待できる希土類オキシフッ化物に関する基礎的知見を得ることを目的に、各種希土類オキシフッ化物の結晶相制御およびイオン伝導性の向上を目指した。 2021年度は、2020年度で実施したLaOFの成果を踏まえてより高いフッ化物イオン伝導を実現することを目的に、LaOFのアニオン(O, F)比および格子サイズを意図的に変化させるため、Laサイトに低価数のアルカリ土類金属イオン(Mg, Ca, Sr)を添加した試料を作製し、それらのイオン伝導性について詳細に調べた。 いずれのアルカリ土類金属を添加した試料においても、無置換試料と比較して導電率の向上し、さらに、無置換試料と同様に、F過剰組成においてα相が安定化されると同時にイオン伝導性が飛躍的に向上することが明らかとなった。また、添加アルカリ土類金属としてはイオン半径がLaよりも大きなSrにおいて最も導電率が高くなることが判明した。 2020年度および2021年度の成果から、LaOFの結晶相安定化には格子サイズまたは格子内フッ化物イオン濃度が大きく影響しており、両者を精密に制御することで相転移を抑制しつつフッ化物イオン伝導性を大幅に向上できることが明らかとなった。 また、2021年度末ごろから、別の希土類オキシフッ化物についても結晶相およびイオン伝導性を調査し始めたが、LaOFとは別の結晶相および相転移挙動を示すことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症により2020年度の計画が遅延した影響により、LaOF単独の物性評価がずれ込み、検討を予定していた置換金属すべてについてデータ収集ができなかった。 2021年度の遅延程度は2020年度と比較して小さく、計画全体としては遅延を取り戻しつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画の置換金属の種類と濃度を限定するなど、研究実施内容を精査することでより効率よく研究を進める。 また、可能な限り効率よく多量のデータ収集を行うため、大学院生にる実験補助を計画する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症による影響で、実験量の減少に加え、学会出張等の取り止めによる旅費支出計画がなくなった。 2022年度は、計画の遅延を取り戻すため大学院生による実験補助により実験量を増やすことを計画していることから、未使用金額を当初計画より増加する実験に充当する。
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