2023 Fiscal Year Annual Research Report
中距離構造で制御する超イオン導電ガラスの機能性探査とその学理の解明
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20K05080
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| Research Institution | Kumamoto University |
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Principal Investigator |
安仁屋 勝 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 教授 (30221724)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
臼杵 毅 山形大学, 理学部, 教授 (70250909)
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| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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| Keywords | イオン伝導 / 拡散 / フラジリティ / 超イオン導電体 / イオン導電性ガラス / イオン導電性ポリマー / 金属ガラス / 中距離構造 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
１）中距離構造がイオン伝導で果たしている役割の理解を深めるため、高分子化イオン液体の構造と物性の関係を調べた。予備的な結果によると、この系は酸化物ガラス系とは異なる傾向を示した。その理由は現時点では不明である。
２）前年度に行った欠陥濃度とイオン移動度が非線形にカップルするという理論的モデルの研究を基に、金属ガラスでの拡散を扱うモデルを提案した。当モデルによると、温度降下によってガラス中に存在する自由体積が凍結し、拡散係数の温度依存性にキンク挙動が生じる。
３）構造不規則性を有するイオン導電体での構造緩和と伝導緩和のデカップリングは昔から議論されてきた。しかし、それを如何に理論的に記述するかに関してはよく分かっていない。以前の研究で提案した融体の緩和現象を記述する結合・配位数ゆらぎモデルを基に、上記のデカップリング現象に対する解析的な理論の大枠を構築した。最終的な定式化には至っていないが、モデルからデカップリングとフラジリティとの関連も明らかになりつつある。
４）その他の研究として、ガラス形成物質の緩和現象に対して開発したモデルのリラクサー型強誘電体への展開、イオン導電体における力学物性、イオン導電体における熱電現象、イオン導電体と分子形状、イオン輸送と光学的性質、イオン伝導と焼結現象、イオン導電体におけるMeyer-Neldel則等に関する研究を行った。
５）本研究課題の研究期間中にはグリューナイゼン・パラメータの温度・次元・粒子サイズ依存性、イオン伝導におけるサイズ効果、ミリング処理した超イオン導電ガラスの異常なイオン伝導の振る舞いに関する議論、カルコゲナイドガラスにおけるイオン伝導の総括、イオン結晶のイオン伝導で見られる内因性・外因性伝導領域間の連続的挙動に関する理論、Liイオン導電性ポリマーにおけるフラジリティの組成依存性に対するモデル等の研究も行った。
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