2022 Fiscal Year Annual Research Report
光励起衝撃波による難燃性Mg合金FSW継手の攪拌組織改質と疲労信頼性向上
Project/Area Number |
20K05109
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Research Institution | Saitama Institute of Technology |
Principal Investigator |
政木 清孝 埼玉工業大学, 工学部, 教授 (30323885)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 摩擦攪拌接合 / 難燃性マグネシウム / レーザピーニング / 表面改質処理 / 疲労特性評価 / ショットピーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
難燃性マグネシウム合金を機械構造部材へ適用するうえで、接合部の疲労強度改善が重要となる。本研究では摩擦攪拌接合(FSW)継手の表面にパルスレーザを照射し、発生する衝撃波によって疲労強度の改善を試みている。コロナ禍で計画が停滞していたが、本年度に難燃性Mg合金製のFSW接合材を作成し、研究協力者の佐野智一氏に依頼してDry Laser Peening (Dry-LP)処理を適用できた。また,比較材のShot Peening (SP)処理材も用意でき、疲労特性の調査が行えた。 疲労限度を調査したところ、母材では100MPa程度であったが、FSW継手では65MPa程度に低下することを確認した。FSW継手へのSP処理では疲労限度を70MPaまで向上できたが、Dry-LP処理では80MPaまで向上できた。破壊起点位置と硬さ分布の相関を調査したところ、未施工材とSP処理材の破壊起点位置は、接合中心位置より2mm離れたFSW接合によって生じる攪拌組織と母材との境界位置と一致し、組織硬さの急変位置であることを確認した。Dry-LP処理材の破壊起点位置は試験片表面で接合中心に一致したが、内部では攪拌組織と母材との境界位置へとき裂が屈曲する現象を確認した。硬さ分布の調査結果から、SP処理では比較的内部まで硬さの向上が認められるのに対し、Dry-LP処理では試験片ごく表面のみしか硬さが向上しないことが明らかとなった。 研究期間を通して、難燃性Mg の母材とFSW接合材の疲労特性改善に対するDry-LP処理の効果を明らかとしたが、硬さが顕著に向上しないにも関わらず疲労特性が改善されるという従来のピーニング処理に関する知見とは異なる結果を見出した。LP処理ではパルスレーザのパルス幅によりピーニング効果が変化するという新たな知見が得られた。
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