2021 Fiscal Year Research-status Report
Interfacial Microstructure Analysis of Oxide-Coated Ti Alloys and Prediction of Mechanical Properties as Composites
Project/Area Number |
20K05119
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
三浦 永理 兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (70315258)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Ti合金 / 酸化物 / 酸化処理 / 界面構造 / 複合材料 / 力学特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
Ti-Nb合金では,Nbの18 mol%以上の添加により,高温酸化処理で生成する酸化膜の緻密性が著しく向上し,また界面連続性も向上する.それに伴い,耐剥離性も顕著に改善される.数十ミクロン厚の厚い酸化膜では,耐剥離性の向上に界面の傾斜化が寄与することが示された. 緻密化に関与する合金元素は主にNbと示唆されるが, TaはNbと原子サイズがほぼ等しく, 全率固溶体を形成し, 更に酸化物状態図が共に共晶型であることから, Taの固溶もTNTZの酸化被膜形成挙動や被膜構造に影響を与えている可能性が推測される. そこで本研究では, 異なるTa添加量のTi-xTa(x = 1 - 50 mol%)二元系合金を作製し, これらの合金を高温酸化させて得られた酸化被膜について, 結晶構造の同定や被膜断面構造の観察を行い, Ti-Ta合金の高温酸化挙動や耐剥離性に及ぼすTa濃度依存性について調査した. SEM及びEPMAによる断面観察では, x ≦ 5 mol%ではボイドを含むポーラス構造が観察され, x ≧ 10 mol%の組成で酸化被膜の二相化に伴う緻密化及び膜厚の肥厚化が確認された. 剥離応力は, x = 18, 20 mol%において最大値約60 MPaを示し, それ以外の組成範囲x ≦ 15, x ≧ 23 mol%では相対的に低下が確認された. Ti中へのTaの固溶限は約5.56 mol%であり, x ≦ 5.56 mol%ではKirkendall voidと呼ばれる空隙を有する酸化被膜が形成したのに対し, x ≧ 5.56 mol%では酸化被膜は二相化し, 基板界面との密着性を有した緻密な酸化被膜が形成した. この結果, 良好な剥離応力が得られたと示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
度重なる緊急事態宣言やまん延防止措置に伴うキャンパス閉鎖により,一時遅延が発生したが,年度後半は閉鎖もなく比較的順調に進展した.
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Strategy for Future Research Activity |
高い耐剥離性を示す膜厚と界面組織を形成する組成と,高い剥離強度を示す構造モデルとの比較を行う.項目4及び5の結果をFEA構造モデルにフィードバックし,剥離試験結果との整合性を検討する.実験結果とFEA応力解析結果を併せて検討する事により,複合材としての力学特性や耐剥離性への基板や酸化膜,界面の力学特性や組織等の材料由来の因子と膜厚や試料形状等の形状由来の因子が,各々どの程度機械的性質に寄与するか明確になる.更に,様々な試料形状で応力分布解析を行い,実験結果と比較検討する.
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Causes of Carryover |
コロナ禍における半導体不足により,今年度購入予定の装置の納品が次年度にずれこんだため.また,現存の破損装置の新規購入予定であったが,部品交換と修理で使用可能としたため. コロナ禍により学会や研究会がほぼオンラインになったため,旅費の使用額が少なくすんだため.
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Research Products
(12 results)