2022 Fiscal Year Annual Research Report
二次元ナノ構造酸化チタンの表面欠陥と形態制御および抗感染性医用材料への応用
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20K05123
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Research Institution | Japan Fine Ceramics Center |
Principal Investigator |
橋本 雅美 一般財団法人ファインセラミックスセンター, その他部局等, 上級研究員 (20450851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金高 弘恭 東北大学, 歯学研究科, 教授 (50292222)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ナノシート / 酸化チタン / 細胞増殖性 / 抗菌性 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯科用インプラントやカテーテル等には、多様な素材(金属、セラミックス、高分子)と形状を有する部材が使用される。この部材表面には生体親和性と抗感染性が要求されるが、この相反機能を同時に向上させるのは極めて困難である。 機能元素修飾した酸化チタンをナノシート化することで、上記相反機能の制御だけでなく、多様な素材と形状を有する部材表面への被覆が期待できる。 ナノシートを室温下でTiインプラント表面に被覆し、医用材料としての可能性を探索した。その結果、酸化チタンナノシートを医用部材に被覆することに成功し、そのナノシート上において良好な生体親和性(細胞増殖性)を示すことを確認した。一方、抗菌性に関しては、まずX線光電子分光法の結果から、ヒドロキシラジカル(・OH)の確認ができなかったこと、大腸菌を用いた抗菌性試験においても抗菌性の確認はできなかった。今回作製した酸化チタンナノシートは、Tiの欠損を有する酸化チタン(Ti<sub>0.91<sub>O<sub>2<sub>)であり、生体活性能(HAp形成能、骨芽細胞活性能)や抗菌性に関して実験を行った。従来の酸素に欠損がある場合と異なり、Tiの欠損を有する酸化チタン上では、骨芽細胞活性のみを確認することが出来た。酸化チタンの耐剥離性に関しては、純チタン上に形成させたナノシートのエネルギー解放率と界面破壊靭性値の経時変化を取得し、酸化チタンナノシートの耐剥離寿命の定量的予測を検討した。
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