2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K05129
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
才川 清二 富山大学, 学術研究部都市デザイン学系, 教授 (20642226)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ダイカスト / アルミニウム / 鋳造割れ / 軽量化 / Al-Mg-Si合金 / Sr添加 / 共晶微細化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,大学内に既設の350トン型締・超高速射出ダイカスト鋳造機を用いて,初年度(令和2年度)は①最適な超急冷ダイカスト鋳造条件の抽出,2年目(令和3年度)は②強靭部材を具現化する特許材料成分のさらなる改良,そして3年目(令和4年度)は③ダイカスト実部品の試作と実用性調査を行い,強靭なアルミニウム部材をダイカスト成形する製造法を確立する事を当初の計画としていた。 2年目である令和3年度においては,コロナ禍の影響による初年度(令和2年度)の遅れを挽回すべく,学内の既設350トン型締めのダイカストマシンによる上記①の研究推進に加えて,学外のダイカストメーカーの協力も得て,同社の800トン型締めダイカストマシンを用いた,上記②~③に至る研究の推進も並行して行った。 以上の結果により,2年目である令和3年度においては,昨年度の相当な遅れをかなり挽回し,2年目で遅れ無し(当初の計画通りほぼ達成)まで挽回することが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目である令和3年度においては,昨年度の相当な遅れをかなり挽回し,2年目で遅れ無し(当初の計画通りほぼ達成)まで挽回することが出来た。詳細は下記の通り。 ①最適な超急冷ダイカスト鋳造条件の抽出:100%達成(学内350トンダイカスト機による試験により,断熱スリーブ法による鋳造条件の探索を行い,最適な鋳造条件をほぼ把握。) ②強靭部材を具現化する特許材料成分のさらなる改良:ほぼ50%達成(学外800トンダイカスト機により,実部品形状の薄肉箱型部品をAl-Mg-Si系合金においてSr添加量を変化させて鋳造試験実施。おおよその合金成分と効果のあるSr量を把握した。) ③ダイカスト実部品の試作と実用性調査:ほぼ50%達成(上記②の試験において,上述のように試験片ではなく,実部品形状の箱型鋳物をもちいることで,上記①,②の本研究で見出した成分範囲等が実部品と実工業レベルで効果的な方向性であることまでを確認した。)
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Strategy for Future Research Activity |
上述もしたように,本研究計画の未実施部分を最終年度の1年間で達成すべく,学内のダイカスト機のみならず,学外の鋳造機(ダイカスト機)も並行して用いて鋳造試験を早めに進め,その後の試作部品の解析や調査の時間を十分に確保できるように進める。すなわち,未達項目である「②強靭部材を具現化する特許材料成分のさらなる改良:計画の残り50%未達」においては,最終年度において学外800トンダイカスト機なども用いて,実部品形状の薄肉箱型部品をAl-Mg-Si系合金においてSr添加量を変化させて鋳造試験をさらに詳細に実施して,実用上最適な合金成分と効果のあるSr量の把握までを行う予定である。もう一つの未達項目である「③ダイカスト実部品の試作と実用性調査:計画の残り50%未達」においては,学外の800トンダイカスト機も用いて,実部品形状の箱型鋳物による鋳造試験をもう一度,近々で行う事により,本研究で見出した成分範囲等が実部品と実工業レベルで効果のあることをより詳細に把握,検証していく予定である。
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Research Products
(2 results)