2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K05129
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
才川 清二 富山大学, 学術研究部都市デザイン学系, 教授 (20642226)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ダイカスト / アルミニウム / 鋳造割れ / 軽量化 / Al-Mg-Si合金 / Sr添加 / 共晶微細化 |
Outline of Annual Research Achievements |
非熱処理型合金であるAl-Mg-Si系合金において,実工業レベルと同等のダイカストマシンを用いて実部品形状の鋳物品を鋳造して,Srの微量添加による鋳造割れの抑止効果,鋳造条件,機械的性質および合金成分などに関して研究した。 1)ダイカストしたAl-3~4%Mg-1~2%Mg系合金の箱型鋳物において,鋳造欠陥の影響を無視すれば引張特性はほとんど変化がないことが明らかとなった。また,Srの微量添加による実工業レベルでのダイカスト成形性への影響は少なく,成形性を阻害しないことが分かった。ダイカスト鋳造した実部品の箱型鋳物においては,Srの微量添加により引け巣が分散して割れが抑止される現象が観察された。これによりSr添加が実工業レベルでも有効であることが確認できた。 2)過去に検討されたAl-6%Mg-3%Si系合金とは異なり,今回,本研究で検討した溶質濃度の低いAl-3~4%Mg-1~2Mg系合金の鋳物では,Sr添加による鋳造割れの抑制効果は幾分低下した。この要因として,溶質濃度の低下に伴う擬二元Mg2Si共晶の晶出量減少に伴う,Sr微細効果の減少が考えられた。 3)実工業レベルでのAl-3~4%Mg-1~2%Mg系合金ダイカスト部品の鋳造において,割れの少ない良好な鋳物部品を得るための①鋳造条件および②成分範囲は以下の通り。①鋳造条件:実鋳物の冷却速度を100~200℃/K程の凝固速度範囲となるよう各種鋳造条件条件(断熱スリーブ等による射出溶湯の温度調整,金型温度制御,鋳造圧力,速度,離型剤の種類や塗布時間等)調整する。②成分範囲:Sr含有量が0.02~0.06mass%の範囲は鋳造割れ低減に有効である。
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Research Products
(1 results)