2020 Fiscal Year Research-status Report
Fabrication of magnesium/calcium phosphate lamellar composite
Project/Area Number |
20K05132
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
池尾 直子 神戸大学, 工学研究科, 助教 (80647644)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 生体内分解性マグネシウム |
Outline of Annual Research Achievements |
湿式法によりマグネシウム表面にβ-リン酸三カルシウムを被覆した。その後、熱間圧延接合条件の最適化により、マグネシウム/β-リン酸三カルシウム積層複合材の作製に成功した。 得られた積層複合材の強度は、積層数すなわちβ-リン酸三カルシウムの体積率に依存して増加する傾向が認められた。一方で、破面では層間剥離が認められたことから、今後、重ね圧延回数の増加が層間剥離に与える影響を確認する必要がある。生体内分解性も積層数すなわち強化粒子の体積率に依存して低下することが確認された。以上の結果より、積層複合材化および強化粒子の体積率により強度および生体内分解性が制御可能であると考えられる。 ただし、積層複合材の強度および生体内分解性の一部は純マグネシウムよりも低下していたことから、加工プロセス中に生じる層間での欠陥の現象が極めて重要であると考えている。 積層複合材化にともない、結晶粒径の微細化および底面配向度の低下が認められた。粉末粒子の混合および熱間押出加工により作製された過去のマグネシウム/リン酸カルシウムに関する研究においては、結晶粒径の増加および底面配向度の低下が認められている。したがって、リン酸カルシウムの存在によりマグネシウム複合材中の底面配向度は低下することが確認された。一方で、結晶粒径はリン酸カルシウムの分布に依存して変化していることから、マグネシウム/リン酸カルシウム複合化における微細組織制御手法の解明には、変形におけるリン酸カルシウム粒子の影響の解明が必須であることが明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画したとおり、マグネシウム/βリン酸三カルシウムの作製に成功し、その生体内分解性と機械的性質の評価および微細組織観察を完了している。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、マグネシウム/ハイドロキシアパタイト積層複合材を作製し、その機械的性質および生体内分解性の評価を行う。得られた結果から、リン酸カルシウム種および皮膜形状の影響を評価する。 また、粉末押出ルートにより作製されたマグネシウム/リン酸カルシウムおよび粉末冶金的手法により作製されたリン酸カルシウム/マグネシウム複合材との微細組織を比較することで 熱間加工プロセス中に生じるひずみ分布と生じる微細組織の関係性について明らかにすることを目指す。
|