2023 Fiscal Year Annual Research Report
Fabrication of magnesium/calcium phosphate lamellar composite
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20K05132
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
池尾 直子 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (80647644)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 生体内分解性コンポジット |
Outline of Annual Research Achievements |
生体内分解性および生体適合性に優れる材料として、マグネシウムおよびリン酸カルシウムからなる複合材料の開発が試みられている。従来は粉末冶金的手法による等方的な材料が創製されているが、マグネシウムが埋入される骨組織では、構成するコラーゲンやハイドロキシアパタイトが部位依存的に異方性を示す。骨類似の異方性を示す固定用プレート開発によるインプラント使用者のQuality of life(QOL)向上を目指し、本研究課題では、長管骨用骨プレートなどへの適用を念頭に、マグネシウム/リン酸カルシウム積層複合材の創製およびその機能制御を試みた。 本研究課題では、湿式法によりリン酸カルシウムを被覆したマグネシウムの熱間接合による複合化を試みた。熱間圧延接合条件の最適化により、マグネシウム/リン酸カルシウム積層複合材の作製を達成した。得られた積層複合材の強度は、積層数すなわちリン酸三カルシウムの体積率に依存して増加する傾向が認められた。さらに、生体内分解性も強化粒子の体積率に依存して低下することが確認された。以上の結果は、リン酸カルシウムの種類によらなかったことから、マグネシウム/リン酸カルシウム積層複合材の機能制御にあたっては、リン酸カルシウム層の体積率の制御が非常に重要であることが明らかとなった。本複合材の母材の結晶粒径は、圧下率の上昇および強化材であるリン酸カルシウムの体積率にともない単調に増加した。また、強化材であるリン酸カルシウムの体積率の上昇にともない、底面集合組織は弱化する傾向が認められた。本手法における反応生成物の形成は認められなかったことから、これらの結果は積層複合材化および強化粒子の体積率により強度および生体内分解性が制御可能であることを示す。
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