2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K05135
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
藤井 伸平 鹿児島大学, 理工学域理学系, 教授 (90189994)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三井 好古 鹿児島大学, 理工学域理学系, 准教授 (90649782)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 電子構造計算 / 構造転移障壁 / メスバウアー分光 / マルテンサイト変態 |
Outline of Annual Research Achievements |
理論班では,(Mn0.875X0.125)CoGe,Mn(Co0.875X0.125)Ge (X=Fe,Cu) について電子構造計算を実行し構造転移障壁の評価をおこなった。構造転移障壁はFe置換,Cu置換ともにMnCoGeに比べ減少した。このことは置換により構造転移温度が減少することを示唆するものである。Mn(Co0.875Fe0.125)Ge の構造転移障壁の減少は他の3つと比べて小さいものであったが,六方晶構造から斜方晶構造へ転移する際の体積膨張率や磁化の変化の大きさから,大きな磁気熱量効果を期待できる。さらに,MnとCoの両サイトを同時に置換する構造について電子構造計算を実行し両サイト置換について調査した。全エネルギー比較からFeは両サイト置換を好むことが判明した。メスバウアの実験結果は我々の結果を支持する。 実験班では、MnCoGe-MnFeGe系でのFeのサイト占有や超微細特性についてメスバウア分光によって得られた成果を論文発表した。昨年度までの成果では、Fe-rich側でMnサイトへの占有率がやや高くなると考えていたが、不純物の影響を考慮すると、MnCoGe-MnFeGeではFeの濃度によらず、Fe原子は一定の割合でMnサイトおよびCoサイトの両方を占有することがわかった。また、熱処理が磁気・構造相転移温度に与える影響を明らかにするため、一定温度での熱処理後の冷却時間を種々に設定したMnCo0.8Fe0.2Ge試料を作成し、磁化測定およびX線回折測定から、結晶構造、相分率評価を行った。クエンチした試料は、ほぼ母相単相を示したのに対し、冷却時間が長くなるにつれ、母相とマルテンサイト相の2相となり、2相の相分率に変化が見られた。また,マルテンサイト相と母相の体積変化が小さくなる時マルテンサイト変態温度が上昇することがわかった。
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