2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of a Spraying System by Selective Deposition toward Advanced Plant Production
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20K05188
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
レンゴロ ウレット 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10304403)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 微粒子 / 液滴 / エアロゾル / 植物 / 移動 / 葉 / 水 / 輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
微粒化された肥料のエアロゾル(液滴群として)を植物葉に高い効率で沈着させることが大きな課題の一つである。本年度では、植物葉の表面および内部における微粒子と液滴(またはバルク液体)の輸送について検討を行った。電気電子工学・光学系の岩井研究室と連携しながら、【研究1】蛍光微粒子を用いた液体を含む物質の輸送を「可視化」する解析、【研究2】2つの近赤外波長を用いたスペクトル領域光干渉断層計システム (SD‐OCT)を用いて、室温での蒸発過程を断面画像化と定量分析が可能な手法の開発、を行った。
【研究1】では、モデルとしてタバコの葉およびセルロース繊維のような多孔質媒体中に流れる液体に蛍光微粒子を混入させておいて、その液体の輸送を「可視化」した。葉のような媒体中においてマイクロリットル液体輸送のためのトレーサとして蛍光微粒子の使用を試みた。画像解析を用いて葉の各部位に存在する蛍光粒子分布をマッピングすることにより、液体の広がりと浸透を可視化できることを示した。また、本可視化法によりある部位に意図的に挿入させた数十から数百ナノメーターの微量不純物も検出することができることも確認した。
【研究2】では、植物(生体組織)に局在する水分量を定量的に測定する方法は確立されていないことから、岩井研究室では2つの近赤外波長を用いたスペクトル領域光干渉断層計システム (SD‐OCT) を開発した。光源の波長は水にほとんど吸収されない1060 nmと1470 nmを用いた。この2波長OCTを用いて光散乱による蒸発過程も伴う水の輸送を測定する可能性を示した。SD-OCTは、これまで観測されたことのない現象を可視化し、定量的に分析するための非常に実用的なツールであることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
植物表面に沈着し、内部における微粒子と液体(水)の物質輸送における解析手法は準備できている。次の主な課題としては、植物に向けてエアロゾルとして微粒子および液滴群を散布することが可能にするシステムの開発することになる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度における主な課題としては、微粒子および液滴群のエアロゾル化を行い、そのエアロゾルを植物表面に向けて高い効率で散布および沈着させるシステムの構築である。
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Causes of Carryover |
2022年度にパンデミックの影響で、予定していた実験回数が遅れており、物品費・消耗品の購入や分析費、旅費などが予定通りに使えていない。最終年度では、植物の成長に合わせて微粒子・エアロゾルの散布や沈着実験を行う予定である。そのためには、植物の育成チャンバーと微粒子の解析に必要な経費がかかる。
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Research Products
(12 results)