2020 Fiscal Year Research-status Report
プラント事故防止のためのプラント運転データからの有害アラーム抽出技術の開発
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20K05213
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
野田 賢 福岡大学, 工学部, 教授 (60293891)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | プラントアラームシステム / 有害アラーム / 配列アラインメント / バイオインフォマティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
プラント監視制御システムの複雑化によって、個々のアラームの必要性や管理範囲の妥当性が十分精査されないままアラームシステムが設計され、単一のプラント異常から複数のアラームが連鎖的に発報する連鎖アラームなどの有害アラームが問題となっている。従来のアラームシステムの評価指標は、アラームの発報数に基づくマクロな指標であるため、どのような有害アラームがいつ発生したか特定できず、それらの評価結果をプラントアラームシステムの適正化に反映することが難しかった。本研究では、プラントアラームシステムの適正化を目的に、プラント運転データからの有害アラーム抽出法を開発する。 本研究では、プラント情報が一切不要で、運転現場でエンジニアやオペレータが使いやすいカスタマイズフリーな手法の開発を目指す。今年度は、バイオインフォマティクス分野のDNAやタンパク質の配列アラインメント手法の応用を検討した。プラント運転データからの有害アラーム抽出問題が、DNAの配列アライメント問題に帰着できることを示し、有害アラーム抽出問題を一種の配列アライメント問題として定式化した。配列アラインメントとは、二つ以上のDNAの塩基配列やタンパク質のアミノ酸配列間の類似する部分配列の探索である。探索結果は、配列が持つ機能、構造や進化の情報を発見するのに利用される。定式化した有害アラームの抽出問題は大規模問題となるため、バイオインフォマティクス分野で開発された様々な配列アライメント手法の中でも、特に大規模データを高速に処理できるアルゴリズムを調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの感染拡大により一時期在宅勤務となり、研究が実質的にストップする時期があったため、当初の研究計画より若干遅れている。具体的には、有害アラーム抽出問題を一種の配列アライメント問題として定式化することはできたが、配列アライメントプログラムのコーディングに着手することができなかった。また、予定していたパソコン一式の購入が、電子部品の供給不足のため年度内に間に合わなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
定式化した有害アラームの抽出問題を解くためのアルゴリズムを開発する。有害アラームの抽出問題は大規模問題となることが予想されるため、バイオインフォマティクス分野で開発された様々な配列アライメント手法の中でも、特に大規模データを高速に処理できるアルゴリズムを本研究で開発するアルゴリズムのベースとする。
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Causes of Carryover |
新型コロナの感染拡大により在宅勤務となったため、実質的に研究がストップしてしまった。予定していた国際会議への出張もキャンセルとなり、次年度使用額が生じた。今年度は、購入予定であったコンピュータおよびソフトウェアの購入に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)